もうニュースで読んだ方もいるかも知れません。アメリカの銀行として有名なゴールドマンサックスがAppleと提携してクレジットカードを発行する様です。ゴールドマンサックスと言えばかつては投資銀行として、リーマンショックのときにはサブプライム証券を空売りしまくってボロ儲けしていた大手金融企業。そしてAppleと言えば言わずと知れたiPhoneやMacで有名なスマホやITの超大手。なぜAppleはゴールドマンサックスを選んだのでしょうか。そして日本でもこのカードは発行されるのでしょうか?
そもそもAppleがクレジットカードを発行していたの?
実はアメリカでは英バークレイズと組んでクレジットカードを発行していました。こんな感じでシンプルなデザインのクレジットカードです。右上にApple Rewardsと書かれていますね。特にAppleのロゴがないのがファンには物足りないかも知れません。
- Appleでのお買物1ドル毎に3ポイント
- レストランでの決済1ドルごとに2ポイント
- 一般加盟店での決済1ドルごとに1ポイント
2,500ポイントで25ドル分のApple StoreギフトカードまたはApp Store&iTunesギフトカードと交換してもらえます。
ということで、1ポイント1セント、クレジットカード還元率としては1%~3%ということになりますね。当然ながらApple関連の商品購入を促進するためのポイント制度になっています。
新クレジットカードの情報は?
どうやらバークレイズとは手を切った上でのゴールドマンサックスとの提携の様なので、いったん現在のデザインは使用されなくなるのではないでしょうか? また、ポイント制度に関してもApple関連でのお買物で3%の高還元が維持されるのか、全く不明な状態です。もしかするとリンゴのAppleロゴが入ってくるかも知れませんね。
ゴールドマンサックスとしては比較的リスク低めで利率の良い事業へ投資を進めたいのだと思いますが、なぜAppleがゴールドマンサックスを選んだのか、これについては各社ともコメントを差し控えている状況なので何とも言えません。
新クレジットカードの発行自体は来年になる模様です。
日本で発行される可能性はあるのか?
ゴールドマン・サックス証券 (Goldman Sachs Japan) が日本でのクレジットカード事業にまで乗り出すか、という疑問ですが市場規模や収益性を勘案すると可能性は低いのではないでしょうか。
以下、個人的な考えです。
日本は欧米諸国や中国と比較した場合、クレジットカードや電子マネーの普及率が高いとは到底言えない状況です。今年のGWも連休直前に銀行に現金を卸す客が群がっていたというニュースさえ報じられる始末。未だ現金主義が強い日本は収益性を考慮すると魅力的な市場には映らないと思います。そのため日本で大々的に既存プレイヤーを蹴散らすつもりで新規クレジットカード事業を始める、という決意でもしない限りは日本での新クレジットカード発行の可能性は低いのではないでしょうか。少なくともアメリカとの同時発行はないと思います。同様にドイツにおいても発行の可能性は低いと想定しています。
Appleでのお買物で3%も還元してくれるなら、iPhoneやMac買い替えの際に必携のカードになりますよね。出来るものなら日本でも発行して欲しいものです。日本はスマホユーザに占めるiPhoneユーザ比率が非常に高い地域のひとつ。この事実だけを見るとAppleクレジットカード発行開始を期待したくなるのですが、前述の「現金主義」によってクレジットカード市場としての魅力が激減してしまうため、実際にゴールドマンサックスとAppleも頭が痛いんじゃないでしょうか。。。