今回は分かっていそうで最後まで分かっていないかも知れない、クレジットカードとデビットカードの違いについて書きます。どちらもお買物の際の支払いに使えて、クレジットカードは後払い、デビットカードは口座から即時引き落とし、それぐら知ってるよって?
でも、それ以外の違いがどこまで知られているのでしょうか? 今回は分かっていそうで分かってない、デビットカードの仕組みやその使い勝手の良しあし、ポイント還元率などについてクレジットカードと比較しつつお話します。
意外と分かっていないクレジットカードとデビットカードの違いとは
クレジットカードとは?
クレジットカード払いを受付けているお店であれば、その場のお買物の支払いに使えます。基本的に後払いです。つまりクレジットカード会社がその場の支払いを立替えて、一定期間後 (概ね一月と少々) 後に、クレジットカードを利用した会員に立て替え分の支払いを請求します。
また、立て替え分を一括で支払う以外に、分割払い、リボ払い、ボーナス一括払い、といった支払い方法を受付けています。その場で使った金額が見えにくいので、後できちんと返済できるようにお金を口座に残しておくことも必要です。
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クレジットカードの仕組み(1)
また、クレジットカードにはカードごとに一意な番号があり、ISO/IEC 7812という国際規格に定められた規則にしたがって16桁の番号が決められています(例外的にAMEXとダイナースだけ桁数が少ない)。
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クレジットカード番号のヒミツ
デビットカードとは?
デビットカード (debit card) はクレジットカードとは似て非なる決済用のカードです。しかしデビットカードも、クレジットカードと同様の16桁の番号を持っており、カードの外見もクレジットカードと似た様な外観で、一見しただけでは何が違うのか分かりにくいです。外見における決定的な違いと言えばエンボス加工の有無ぐらいでしょうか。
クレジットカードが利用可能なお店やサービスであれば、概ねデビットカードを使っての「VISAやJCBでの一括払い」が出来てしまいます。しかし、デビットカードにはクレジットカードと決定的に異なる点がいくつかあります。
その1 後払いではなく先払い
デビットカードは利用したときに、そのデビットカードに紐付く銀行口座に請求が行われ、利用した代金分の金額が銀行口座から即時引き落とされます。ここがクレジットカードとの最も大きな違いです。
即時引き落としのため、クレジットカード会社が間に入る立替え払いが行われません。デビットカードで決済を行う際に、VISAやJCBなどの国際ブランドの決済システムを利用するものの支払いは会員の口座から加盟店へその都度行われます。
※ だから超古いクレジット決済であるインプリンターを使った、クレジットカード自体の複写を行う必要もなくエンボス加工もないわけですね。
また、銀行口座からの引落しが即時発生するという特性上、デビットカード発行元は基本的に銀行に限られます。
その2 即時引き落としのため、「使い過ぎる」ことがない
デビットカードを利用したお買物代金は即時銀行口座から引きとおされます。そのため、銀行口座に入っている金額以上の金額を利用することはできません。つまり、使い過ぎるという事が起こり得ません。その点の安全性はゆるぎないものがあります。
その3 即時引落し = 分割決済が不可能である
使った分を即引落し、ということは一部だけ引き落として残りは後で、という分割払いはできません。そのため、利用したい金額が口座に入金されていない場合、そもそも決済自体が通らない仕組みになっています。
その4 入会審査が不要である
デビットカードで決済を行う場合、クレジットカード会社が間に入る事はありません。つまりデビットカード発行にあたって、その人にいくらまでなら立替え払いしてあげられるか、という与信審査を行う必要がないのです。そのため、デビットカードを申し込んでも、個人信用情報機関への照会は行われません。
入会にあたって信用調査が入らないサービスであるため、デビットカードを使ってもクレヒスになりません。
また、信用調査が入らないサービスであるため、デビットカード作成可能な年齢は15歳以上(中学生除く)である場合が多く、若い内から金銭感覚を養う、ファイナンスの体験を積むという意味から非常に有用でもあります。
※ 個々の銀行ごとに「要注意顧客リスト」などはあるはずなので、それが原因で発行拒否される可能性がゼロではないですが聞いたことないです。
その5 一部サービスや店舗での支払いに使えない
- 携帯電話・スマートフォン料金支払い
- 公共料金支払い
- 新聞購読料支払い
- インターネットサービスプロバイダ
- 高速道路
- ガソリンスタンド
- 機内販売
- その他、インターネットサービス (月額課金)
5年前、10年前と比較するとデビットカードが利用できない、というケースはかなり減って来てはいます。使い勝手もかなり良くなってきました。しかしそれでも、デビットカードが利用できないというシーンはまだありますので要注意です。
その6 ポイント還元率が低い、または還元されないことも
デビットカードによって異なりますが、概してクレジットカードよりもポイント還元率が低い事が多いです。
使い勝手やポイント還元率から見たおススメのデビットカード
ここからは、使い勝手の良さやポイント還元率といった指標から、おススメのデビットカードをいくつか紹介します。
使い勝手の良さで選ぶなら、三菱UFJ-VISAデビットカード
日常生活における使い勝手の良さから選ぶなら、以下の公共料金やライフライン利用料金支払いに対応したこのカードがトップに来るでしょう。
- 公共料金 (電気・ガス・水道・NHK)
- 固定電話、携帯電話、スマートフォン利用料金
- 新聞購読料金
- 保険料・税金
同様に、三菱UFJ-JCBデビットカードでも上記公共料金や固定電話・携帯電話利用料金などの支払いに対応しています。また、JCBデビットはディズニーデザインのデビットカードもあります。毎月の生活費支払い等の利用を考えている方にはおススメの一枚です。
カード基本情報
- 発行可能年齢 … 15歳 (中学生除く)
- 発行条件 … 三菱UFJ銀行の普通預金口座を持つ個人・個人事業主
- 年会費 … 初年度無料、翌年以降1,000円+税 (ただし23歳以下、もしくは前年10万円以上の利用があれば翌年も無料)
- ポイント還元率 … 0.2 ~0.5%
- 還元ポイント … VISAデビットはキャッシュバック、JCBデビットはOkiDokiポイント
- 不正利用補償あり
- ショッピング保険あり (JCBは海外のみ)
- 海外・国内旅行傷害保険付帯 (利用付帯、JCBのみ)
流石に最大手クラスの銀行発行ということもあり、デビットカードとは思えない特典の充実ぶりです。また、JCBデビットに関してはOkiDokiポイント還元 = MyJCB管轄下にあるという事になりますので、恐らくCIC開示にも利用可能と思われます。作って試してみようかな…。
ポイント還元率で選ぶなら、楽天銀行JCBデビットカード
とにかく低コスト高還元を重視するなら楽天銀行JCBデビットで決まり。
- 年会費永年無料
- ポイント還元率1% (100円/1ポイント)
公共料金などの支払いを考えず、Amazonや楽天市場といったネットショッピングでのご利用の際のポイント還元率が出来るだけ高い方がいい!という方には 楽天銀行 がイチオシのデビットカードになります。
個人信用情報開示(CIC)に使えるかで選ぶなら、セブン銀行JCBデビットカードとイオン銀行デビットカード
セブン銀行JCBデビットカード
現在諸々の事情でクレジットカードの発行が出来ない方、喪明けを待っている方で個人信用情報、特にCICをインターネットで情報開示したいけれど、自宅からCICの事務所は遠いし、郵送開示をすると家族に知られてしまう…。
※ CICはインターネット開示利用手数料を原則としてクレジットカードで支払う必要があります。ごく限られたデビットカードも支払いに利用可能です。クレジットカードを持てない人に優しくないですね。
こうした悩みを解決してくれます!
- セブン銀行JCBデビットカード
このカードを利用したCICのインターネット開示可能という実績あり。
イオン銀行デビットカード
- イオン銀行デビットカード
CICのサイトに対応と謳われています。実際、10万円分までのバックアップ(立替え)やら保険やらが付帯しており、デビットカードと言いつつかなりクレジットカードに近い実態の模様。保持するとCICにも掲載されるようです。
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CIC情報を開示しよう!
おわりに
今回は、クレジットカードとデビットカードの違いや、使い勝手の良いデビットカード、ポイント還元率の高いデビットカード、個人信用情報の開示に利用可能なデビットカードの紹介でした。最後まで読んで下さりありがとうございます。