米Appleがユダヤ金融最大手のゴールドマンサックスと組んで、クレジットカードを発行するという話題が再燃しているようです。
一部メディアでは突然出てきたニュースのようなタイトルが付けられていますが、実は昨年5月に既に一度報じられていた話題です。昨年と比較して、今回はどのような進展があったのでしょうか。
iPod、iPhone、iPadと古い言葉で「ユビキタス」な社会の在り方を示して見せたApple、今回はクレジットカードへの進出で何か革新を見せてくれるのでしょうか?
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Apple x ゴールドマンのクレジットカード、「ウォレットアプリの新機能」と密に連携。正式リリースは今年後半。
Appleクレジットカード、アップデート
THE WALL STREET JOURNALの記事によると、Appleとゴールドマンサックスの提携によるクレジットカードは、今春の発行を計画しているとのことですが、あくまで試験発行として自社従業員によるテスト運用のための発行とのこと。今後数週間のうちに従業員に配布されるようですね。
一般向けの正式なリリースは2019年の後半を計画している様です。
昨年5月の記事では、「2019年春の発行予定」とありましたが、これが一般向けの発行を指していたのだとすれば数か月の計画遅延があるという事でしょうか。
また、「iPhoneの新機能と連携する」との記述がありますが、詳細については曖昧です。ウォレットアプリの新機能と連携し、支出のゴール (目標)、や口座残高の管理、リワード (ポイントバック?) の管理をしやすくしてくれる、とあるだけです。もしかすると、「今月はそろそろ使い過ぎに注意しなさいよ」、「OK、今月は上手く節約できましたね」、といった情報をタイムリーにお知らせしてくれる機能になるのかも知れません。某中国スマホメーカーと対立している今、プライバシー面の配慮も求められるためどこまで細やかな管理が出来るようになるのか、作り手側が頭を悩ませそうな機能です。
参考・出典 : THE WALL STREET JOURNAL
なぜAppleは今になってクレジットカードに手を出すのか
iPhoneの販売台数落ち込みによるトータルの利益減少が大きく響いているのは間違いありません。スマホやタブレットといったハードウェア販売の本格的な落ち込みが顕在化する前に、新たな収益源を確保するべく、サービスによる収益増を模索していることになります。
元々、Apple Payを展開しているのはご存じのとおりと思いますが、一般のクレジットカードや電子マネーの決済スキームに乗っかる形で、薄く広く儲ける、という発想のもとで日本でもApple Payが展開されています。ここ数年でかなり浸透してきており、その勢いがとどまらないところを見ると、Apple Payはサービス業の一形態として成功であり、将来性があると判断されたという事でしょう。そして今回は決済サービス領域での更なる収益拡大を目指して、新たな一歩を踏み出そうと、本格的に既存クレジットカード業界に殴り込みをかけようということでしょうか。
ポイント
Apple Payは従来のクレジットカードやiD、QUICPAYの決済スキームの間に一枚挟まるイメージで、決済手数料の一部をうけとることで利益を出しています。
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上の記事に描かれている、クレジットカードイシュアやアクワイアラとしてのポジションを取れれば更に大きな利益が狙えます。
既存のクレジットカード会社としては、資本力でいえば超大型巨人クラスが参入してくることになるので気が気でないかも知れませんね・・・。
国際ブランドはMastercardブランドになる?
以下、engadget日本版からの出典です。
新クレジットカードにはマスターカードの決済ネットワーク(アメリではVisaに次ぐ2番目の大きさ)が使用され、利用できる店舗の範囲も十分に広そうです。そしてカードで購入するたびに約2%のキャッシュバック、アップルのハードウェア製品やサービスではさらに2%が上乗せされるとのことです。
ただし、大手のクレジットカードに付きもののマイレージポイントや空港ラウンジ使用などの特典を付ける競争には参加するつもりが薄いとのこと。そうした客は見込めない代わりに、アップル製品のユーザーを取り込めることに賭けているそうです。
出典 : engadget日本版
なんだか最近は業界一位のVISAでなく、業界二位のMastercardをプライマリブランドにするのが流行っているのでしょうか。日本国内ではVISA payWaveゴリ押しで一部イシュアと関係が悪化したとも言われていますが、海外でも同じようなことがあったんでしょうかね。
また、Apple製品の購入やサービス購入でポイント上乗せというカードの特徴も、以下の記事で取り上げているBarclays提携のAppleクレジットカードと思い切りサービス内容がかぶりそうです。
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おわりに
今回は昨年5月頃に噂されていた、Appleとゴールドマンサックス提携によるクレジットカード発行に関するニュースのアップデートでした。
やはり今回も日本国内でのカード発行についての言及はありませんでした。
関係ないけど、最近HELLSINGのOVAが欲しいです。
林檎教の方、アンデルセン神父みたいな狂熱心なアップル信者の方、「死んだ窓信者だけが良い窓信者だ」という方、日本国内でのAppleクレジットカード発行を首を長くして待ちましょう。
えいめん。