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[クレジットカード基礎知識] 主要電子マネーの特徴・メリット・デメリット



今回はクレジットカードと深い深い関係のある、電子マネー (プリペイド・ポストペイ) 各種のメリットやデメリットについて、簡単にまとめました。まずはそれぞれの電子マネーの簡単な使い方・ユーザ目線の利便性について知るところから始めましょう。マニアックな方以外はおおむねこのページの情報だけで十分な情報を得られるかと思います。もう沢山あり過ぎて分からないよ!という方も多いと思いますが、うまく使いこなせればグッとお得度が増す場合もあるので、自分の生活圏内で使える電子マネーは押さえておくことをおススメします。

今回の記事のターゲットは以下の電子マネーです。

  • 主要なプリペイド型電子マネー (カード型、コンタクトレス型)
  • 主要なポストペイ型電子マネー (コンタクトレス型)

LINE Pay, origami Pay, PayPayなどのQRコードを利用したスマホ決済型の電子マネーについては別記事で解説予定です。

プリペイド型電子マネー

楽天Edy (らくてんエディ)

楽天カードをはじめとする一部のクレジットカードに一体型として付帯していることも多いEdy。

ソニーが開発したFeliCaを搭載した、日本発の非接触型決済による電子マネーです。現金チャージや、ファミポートでのチャージが可能です。Edy付帯の楽天カードを持っているとオートチャージも利用可能です。チャージ上限は50,000円まで。2017年9月現在、発行枚数1億枚以上、利用可能箇所50万以上とかなり大規模に展開されています。

楽天Edyのメリット

プリペイド (前払い式)のため使い過ぎを防止できる
財布いらず (Edy一体型カードやおサイフケータイに対応)
一部スーパーで割引システム導入
楽天ポイントが貯まりやすい (200円決済ごとに1ポイント付与)
特徴的な「シャリーン♪」の決済音

楽天Edyのデメリット

導入店がiDやquick payに比較すると少ない
Apple Pay非対応
サークルKサンクスのファミマによる買収に伴いコンビニでの会員サービスが減少

良くも悪くも日本国内限定の電子マネーといったところで、海外での利用は不可能、かつApple Payにも対応していないため、CoineyやTimes Payといった新興の決済代行サービスにも対応しておらず、加盟店がやや少なく感じるのがデメリットかも知れません。

しかしながらチャージ~決済でたまるポイントのすべてが楽天スーパーポイントへと一本化されており、楽天スーパーポイントは通販をはじめとする楽天系列のあらゆるサービスで利用可能であるため、ポイントバック面の利便性は抜群です。

nanaco (ナナコ)

nanacoはセブン&アイ・ホールディングスが展開するFeliCaベースの非接触型ICを用いたプリペイド型電子マネーです。電子マネー + ポイントカード機能を併せ持っており、一枚二役で財布の省スペース化が捗ります。

発行枚数は6,300万枚以上(2018年11月)、利用可能店舗は約341,000店 (2018年10月) に上ります。

セブンカード・プラス (クレジットカード + nanacoカード機能) を持っているとnanacoオートチャージも利用可能です。

また、セゾン系列の永久不滅ポイントが貯まるカードでは事前登録が必要ですが、永久不滅ポイントとnanacoポイントの二重取りも可能です。

nanacoのメリット

プリペイド (前払い式)のため使い過ぎを防止できる
セブンイレブン、イトーヨーカドーをはじめとする加盟店でnanacoで支払うとnanacoポイント1.00%還元 (100円毎に1ポイント)
家電量販店、ドラッグストア、飲食店など生活に密着した加盟店が多い
他の加盟店でもnanacoポイント還元率0.50%~1.00% (200円毎に1ポイントまたは100円毎に1ポイント)
公共料金の支払いでnanacoポイントをもらえる
不定期にポイント還元率アップキャンペーンあり

nanacoのデメリット

導入店がiDやquick payに比較すると少ない
Apple Pay非対応

デメリットらしいデメリットが見当たりません

コンビニ店頭などでの収納代行を利用することで公共料金や税金支払い時にもnanacoポイントをもらうことが出来ます。納税でポイントバックを受けられるのはかなり貴重と言えるでしょう。

楽天Edyと同じくApple Pay非対応のため、Coineyなどの新興の決済代行サービスにも対応しておらず、加盟店がやや少なく感じるのが強いてあげるとした場合のデメリットです。

ただし最大手クラスということもあり、Times Payが対応を表明してきたため、nanacoと後述のWAONを皮切りに状況が変わってくるかもしれません。

WAON (ワオン)

WAONはイオングループが展開する非接触型ICチップを用いたプリペイド型電子マネーです。やっぱりFeliCaです。発行枚数6,450万枚以上(2018年4月)、利用可能箇所約287,000以上と楽天Edyに少々見劣りはするもののイオン系列ほぼ全店で利用可能、かつイベントデーのポイントバック増量の恩恵にあずかれるのは大きいです。イオンが生活圏内にある人なら持っておいて損はない電子マネーです。

イオンカードセレクトをはじめとするイオンカード系列クレジットカードを (クレジットカード + WAONカード機能) を持っているとWAONオートチャージも利用可能です。

WAONのメリット

プリペイド (前払い式)のため使い過ぎを防止できる
イオンモールや全国のイオン系列店で利用可能。WAONで支払うと200円につき1ポイントのWAONポイント (WAONへチャージ可能) がもらえる (還元率0.50%)
他の加盟店でもWAONポイント還元率0.50% (200円毎に1ポイント)
JALカードとの紐付けでWAONポイントの代わりにJALマイルがもらえる
公共料金の支払いでWAONポイントやJALマイルをもらえる
かなり頻繁にポイント還元率アップキャンペーンあり

WAONのデメリット

導入店がiDやquick payに比較すると少ない
Apple Pay非対応

コンビニ店頭などでの収納代行を利用することで公共料金や税金支払い時にもWAONポイントをもらうことが出来ます。特にJMB WAONカードを利用することで、納税時にJALマイルをもらうことができるのはWAONだけの特権です。

楽天Edy、nanacoと同様にApple Pay非対応です。nanacoと同じくTimes Payが対応を表明してきたため、決済代行事業者での扱いが大きく変わってくる可能性があります。

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Tマネー

Tポイントはあれだけ氾濫しているのにTマネーはとても影が薄いのが特徴的です。「Tマネー」はTカードにチャージして利用可能な電子マネーです。店舗で発行されたTカードやTカード機能付きクレジットカード (Mastercard, JCBブランド) で利用することができます。

店頭での現金チャージやTポイントサイトからクレジットカードでチャージすることで店頭利用可能になります。

Tマネーのメリット

プリペイド (前払い式)のため使い過ぎを防止できる
全国のTSUTAYA、ファミマ、ウェルシアなど大手小売店で利用可能
既存TカードにそのままTマネーをチャージできるため、カード新規発行の手間が省ける財布のスペースを圧迫しない
オートチャージ対応 (Yahoo! JAPANカード、ファミマTカードJCBなどTポイント機能付きクレジットカードのみ)

Tマネーのデメリット

とにかく存在感がない
ポイント還元率が低い
加盟店が少ない
VISAブランドのクレジットカードでは利用不可能
Apple Pay非対応

完全に出遅れてしまい、さらに後発のQRコード決済勢にも抜き去られてしまった感があります。既存TカードにそのままTマネーを載せられるというコンセプトが非常に良かっただけに残念な電子マネーです。

更にVISAともめたのか、2018年11月からVISAブランドのクレジットカードではTマネーを使うことが出来なくなりました

加盟店も19,000と桁ひとつ少なく、Coiney, Times Payなど決済代行事業者側の対応も優先度が高くなることはまずないでしょう。

ポイント還元率も500円決済ごとにTポイントを1ポイント付与、と還元率0.20%しかありません。Tポイントの大ファンだったりTカードのふんどしみたいなデザインが好きで好きでたまらないという方におススメです。

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Suica (スイカ)

FeliCaを使用した非接触型ICを搭載したカードで、鉄道乗車券と決済の二つの機能を持つカードです。利点は何といっても対応店舗・サービスの多さに尽きるでしょう。

普及度合い、ポイント還元率などの面で欠点らしい欠点のない、プリペイド型電子マネーの最高峰です。

Suicaのメリット

全国の駅で広く利用可能 (ごく一部のSuica非対応エリア除く)
鉄道の駅構内自販機・売店の決済にも利用可能
コンビニ、駅チカ店舗、タクシーなど幅広く導入済
即日発行
プリペイド (前払い式)のため使い過ぎを防止できる
財布いらず (モバイルSuica、Suica一体型クレジットカード等に対応)
オートチャージ対応 (VIEWカードと一体型のSuica、モバイルSuicaのみ)
JREポイント (旧スイカポイント) が貯まる (還元率0.50%~1.00%)

Suicaのデメリット

チャージ上限が20,000円と低く、高額決済には不向きであり頻繁なチャージが必要
飲食店での導入店舗が少ない
発行の際にデポジット (500円) が必要

補足 : モバイルSuica

スマホにsuicaを載せて使えるようになり、財布の省スペース化が捗ります。

メリット

Apply pay対応
オートチャージ対応

デメリット

クレジットカードとの紐付けが必須

飲食店以外のどこでも使えると言っていいレベルで普及しています。全国ほぼどこでも使える電子マネーではありますが、発行の際に500円のデポジット (預り金) がかかります。また、ポイントを貯めるにはJREポイントサイトに事前登録が必要です。

uniko (ユニコ)

ユニー・ファミリーマートホールディングス子会社のUCSが東海地方中心に展開するプリペイド型電子マネーです。私も今回の記事作成で調査した結果初めて存在を知りましたすいません。

ユニコのメリット

東海地方で強いアピタ、ピアゴで使える電子マネー
200円毎に1ポイント貯まる
500ポイントで500円分の自動チャージ
資本関係によって全国のドンキおよびファミマで使える

ユニコのデメリット

東海地方以外ではファミマとドンキでしか使えない
資本提携次第で、将来的にファミマで使えなくなる可能性あり

ポストペイ型電子マネー

iD (アイディ)

iD (アイディ) はNTTドコモが主導で開発した非接触型決済スキームです。決済方式としてFeliCaが使用されます。クレジットカードやおサイフケータイなどに広く搭載され、一般的にはポストペイ型電子マネーとして認知されていますが、dカードプリペイドなど、一部プリペイドタイプも存在します。

2017年6月末時点のデータですが、iD発行枚数は2,541万枚、利用箇所は74.2万とのことです。記事執筆時点の2018年12月では更に増えていると思われます。あまり積極的に加盟店数などを発表していないため現時点でどれだけ増えているかまでは不明です。

iDのメリット

iD搭載クレジットカードがあればサインレス支払い可能
小銭を探す手間かからない
Apple Pay対応、財布すらも不要
決済成功時の音が軽快で気持ちいい
ネット決済にも対応

iDのデメリット

停電による決済端末障害で支払い不可能になる
高額決済非対応
iD対応のクレジットカード自体があまり多くない
限度額 = カード利用枠であるため、プリペイド型と異なり使い過ぎに対する抑止力が低い

iDは利用限度額をクレジットカードと共有するため、iD搭載カードやApple Pay登録クレジットカードの限度額が50万円ならiDで50万円まで決済できます。もちろんその分カード利用可能枠が減ります。

また、少額決済メインの決済スキームであるため、加盟店によって異なりますが3万円~10万円を超える決済は従来どおりクレジットカードで行う必要があります。

加盟店はごく少ないですがAmazon、総合書店honto、プレイステーションストアなどではネット決済でも利用可能です。Amazonを抑えているのは大きいですね。

QUICPay (クイックペイ)

QUICPay (クイックペイ) はJCBが主導で開発したコンタクトレス決済スキームです。iDと比較するとあまり普及していないイメージがありますが、事実、発行枚数でも600万程度と後れを取っています。しかしながらApple Payの上陸により急激に増加しているため、2018年末では上記数値よりかなり多くなっているものと想定されます。

また、iDのみ対応の決済端末からiD、QUICPay、その他電子マネー対応のハイブリッド端末への置き換えも急速に進んでいるため、加盟店数も大きく増えていると思われます。

QUICPayのメリット

QUICPay搭載クレジットカードがあればサインレス支払い可能
小銭を探す手間かからない
Apple Pay対応、財布すらも不要

QUICPayのデメリット

決済成功時の音がイマイチ (ブッブー)
停電による決済端末障害で支払い不可能になる
高額決済に非対応 (一度の決済は最大2万円まで)
限度額 = カード利用枠であるため、プリペイド型と異なり使い過ぎに対する抑止力が低い

補足 : QUICPay+ (クイックペイプラス)

QUICPayでカバーできなかった高額決済に対応、最大30万円
QUICPay+ 加盟店でのみ利用可能

実際のところ、多くのクレジットカードがApple PayではQUICPay扱いで登録されるため、取扱店舗数は増えざるを得ないというのが実情でしょうか。

未だにiDのみという店舗も多いためApple PayのWalletアプリ上位にどうしてもiD付帯カードが来やすくなってしまう方も多いと思います。

クレジットカード国際ブランドのコンタクトレス決済

   

  • VISAコンタクトレス (旧称 : VISA payWave)
  • Mastercardコンタクトレス (旧称 : PayPass)
  • JCBコンタクトレス (旧称 : J/Speedy)
  • American Expressコンタクトレス (旧称 : Express Pay)

決済方式がFeliCaではなく、NFC Type-A/Bであるため、決済端末側でもハードウェアレベルの対応が必要になります。そのため、まだまだ日本国内で普及しているとは言い難い状況。

このロゴのある店舗は国際ブランドのコンタクトレス決済に対応しています。最近とくにキャッシュレス決済方式が増え過ぎて、もはや店員さんの方が対応しておらずアップグレードが必要な場合も多々あります。

しかしながらLAWSONをはじめコンビニでの対応が開始され、マクドナルド(2018年3月13日対応開始)などの大手飲食チェーンで少しずつ取り扱いが始まっているため、少しずつですが普及が進んでいます。

「その決済方式で決済して何がお得なのか」というポイントでの訴求力にも欠けているため、iDやQUICPayからの乗り換えは進みにくいでしょう。しかし外国人観光客 (特に欧米系) の方々の主力決済方式となるため、2020年までには導入が進んでいくと思われます。

おわりに

今回はカード型、コンタクトレス決済型のプリペイド、ポストペイ電子マネーの内、主要なものについて主にユーザ (消費者) の目線から紹介しました。プリペイドではnanacoとWAONが圧倒的であり、ポストペイ型ではiDが一強になりつつある状況がお分かりいただけたと思います。

近年登場したQRコードを利用するスマホ決済タイプの電子マネーについては、加盟店側の目線も併せて紹介したいと思います。

今回も最後までお読み下さりありがとうございました。

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