今回はクレジットカードを初めて持った方がやらかしがちな、ときに致命傷になり得る重大ミスについて紹介します。本記事で紹介するミスを放置し続けると、本来払う必要のなかった多額のお金を払い続ける羽目になったり、最悪のケースでは自己破産や債務整理などに陥り、就業制限を受けたり結婚できなくなったりします。金融機関や公務員(特に警察関係)は採用時の身辺調査しますからね。
これらのミスは運が悪いと人生詰みます。どれも常識といえば常識なのですが、日常生活の中で意外と忘れてしまうもの。今回はそんな重大ミス
クレジットカードでやってはいけない6つの大罪(ミス)
1. 仕組みを理解せずにリボ払い・分割払いにしてしまう
まずカード会社がどうやって利益を上げているか理解しましょう。カード会社も営利企業である以上、お金を稼いで従業員に給料を払って食わせなきゃいけません。あなたが払ってるリボ手数料や分割金利が彼らの利益になっています。それもリボ金利は利益率が高く、キャッシングに代わる収入源として各社ともあの手この手でリボ払いを勧めて来ます。
クレジットカード会社の利益構造についてはこちらの記事をどうぞ。
少し昔の記事ですが、楽天カード利用者がリボ払いで気付いたら100万円も借金背負ってた、なんて話もあります。これはさすがに利用者側もチェックしなさすぎだと思いますがね…。
リボ払いという制度を高金利で運用すると、「金に疎い貧乏人を貧乏な状態に縛り付けておく」という結果をもたらしがちです。お買物の際に安易にリボ払いをするべきではありません。「リボ払いでポイント2倍!」などと謳っているクレジットカードが多々ありますが、なぜそんな宣伝をするのでしょうか?答えは単純で、リボ払いを利用するクレジットカード会員に付与するポイントを2倍にしても、クレジットカード会社はリボ金利でそれ以上に儲かる算段があるからです。
平たく言えば超高金利の住宅ローンみたいな支払い方です。そのためカード会社側の利益率はとても高いですし、「リボ払いならポイント2倍!!」などとポイントをバラまいてでもリボ払いの顧客を獲得したいわけです。
一方でリボ払いは払わないわけにいかない緊急かつ高額な出費、例えば高額医療費などの支払いには救いの手になり得るので、一概に悪いものと決めつけず上手く利用したいものです。
アフィリエイターに対して思う事
リボ払い専用カードはポイントがお得!という情報を載せている比較サイトも多数あります。彼ら(法人含みます。価○コムとか)は自分のサイトからカードを契約してもらえればカード会社から顧客誘導の謝礼金をもらえる、いわゆるアフィリエイターです。カードを作って実際リボ払いする人がどれだけ多く支払う羽目になろうが知った事ではないのです。
個人でクレジットカード関連のアフィリエイトサイトを運営している方の多くも、リボ払いは損であり危険度が高いことは承知しているはずですが、目先のお金欲しさに宣伝しているのが実情です。金融関連のお仕事はある意味良心を捨てないとやって行けない、などと言われるのも頷けますね。
必要に迫られて使う場合でも仕組みを理解してから
どうしてもリボ払いにせざるを得ない様な場合は、まず仕組みを理解してからにしましょう。一時的にポイントをもらえたりしても最終的にもらったポイント以上のお金を払う事になるケースが大半ですから。
※リボ払いを利用して年会費を安くするテクニック
リボは良くないよー、と言いつつですが、リボ払いを利用してカード年会費を浮かせる方法もあります。ほんの数十円、数百円のリボ金利を支払うだけでその数倍以上のポイントを得る裏技もあるにはあります。しかしこうしたテクニックはリボ払いの仕組みとリスクをよく理解してから実行に移されることを強くおススメします。
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リボ払いを利用してカード年会費を節約!
2. クレジットカード利用総額・明細をチェックしない
1.と関連しますが、クレジットカードの利用明細書をチェックしないというのも、また非常に危険です。利用明細をチェックしなかったらあなたのカードが不正利用されてもそれに気付くことが出来ない、ということが理由です。
一時に多額の利用をした場合、カード会社からチェックの電話(いわゆるオーソリ)が入ったりして不正利用に気付くことができるかも知れません。しかし、少額の利用にはオーソリも入らず全く無力です。少額で何度も繰り返し利用されて、気付いたら100万円以上不正利用分を払っていたので何とかしてくれ、と事後申請しても救済されない可能性が高いです。
紛失保険・盗難保険について
ありがたいことに、悪意を持ってクレジットカードを不正利用されても、紛失保険または盗難保険の申請をすれば支払いを免れることがあります。が、これらの保険には申請期限が存在しています。不正利用から60日以内、という申請期限のカードが多い様です。
ということで、半年ぶりに明細を見て、身に覚えのない利用を発見しても時すでに時間切れです。クレジットカード会社側も保険申請は受け付けてくれないでしょう。クレジットカードは常に所在を確認し、明細は最低でも月に一度はチェックしましょう。不正利用は見つけたら即申請、即警察に連絡というのが鉄則なのです。
3. カードの券面画像をSNSやブログで公開してしまう
自分のクレジットカードの写真を、たまーーーーにFacebookやTwitterなどのSNS、また個人ブログで公開してしまう方がいるようですが、この行為は非常に危険です。絶対にやめましょう。クレジットカード番号、有効期限、名義人氏名までは表面だけで分かってしまいます。
特に国際ブランドがアメックスのクレジットカードの場合、VISAやMastercardと異なりセキュリティキー (3~4桁の数字) まで表面に印字されているため、クレジットカード画像が手に入れば即座に不正利用可能になってしまいます。
ネットで見せびらかしたい場合やカードを紹介したい場合は、カード番号末尾8桁程度(※)、セキュリティキー、氏名、有効期限は絶対隠しましょう。ひと手間惜しんで転落人生のリスクを負うのは馬鹿げてます。
※ カード番号の先頭は国際ブランドやカード会社識別子なので隠しても実は意味がないです。隠すべきは後半なのです。
4. カード代金支払いを遅延してしまう
クレジットカード利用代金支払いの遅延は、一回でも非常に危険なミスです。一日~二日程度の遅延では、寛容なカード会社だと信用情報に遅延を付けないところもあります。しかし数日の支払い遅延を何度もやらかすと、クレジットカードの更新拒否・有効期限前の強制解約が待っています。「支払いを遅延した」ということを示す情報は信用情報に記載され、他のカード会社や金融機関にも見える状態になります。クレジットカード利用代金支払い履歴は全ての金融機関で共有され得る情報です。
個人信用情報にどんな情報が載っているのか?
万が一、支払い忘れに気付いた場合、すぐにクレジットカード裏面の電話番号へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
支払いの遅い人が信用(Credit)を得られるか?
普通に考えても無理ですよね。お金にルーズでいい加減な人にお金を貸す人はいません。友達関係や家族関係もお金の貸し借りでときには簡単に崩れ去ります。クレジットカード会社とあなたの関係もそうです。
支払い遅延履歴があると他のクレジットカード審査に大きなマイナス影響を及ぼします。
それ以外に、各種ローンの審査、特に自動車や住宅ローン審査に影響が及ぶと自分の人生に大きな影を落とすことがあります。いくら有担保ローンとは言え、銀行だってわざわざリスクの大きい顧客に大きな与信枠を与えたりはしません。
5.裏面にサイン(署名)しない
クレジットカード裏面の署名欄へのサイン、忘れる人も多いかもしれません。面倒でサインしていないこともあるかもしれません。
しかし!
クレジットカードを落とした場合、拾った人が空欄のままの署名欄にサインすれば店頭で使い放題です。サインしてあれば不正利用されたとしても、筆跡から本人以外の利用であると判定し、不正利用された分の支払いを拒否することが出来ます。しかしコンビニなど少額決済をサインレスで行う店舗ではバリバリ不正利用できます。
ゴールドカードやプラチナカードなどの限度額の大きなカードで不正利用され、支払い拒否できないと最悪の場合、100万どころか500万円以上の支払いをする羽目になります。支払えなければカード没収、他のカードも没収、信用情報に大きくキズがついてしまいます。
更に債務整理や自己破産に陥る恐れさえもあります。
6. 自分以外の人(家族含む)にカードを使わせてしまう
「これで払っといて(ドヤァ」
はい、アウト。
どうしても妻や自分の親にカードを使わせたい場合は家族カードを発行しましょう。クレジットカードはカード名義人とカード会社間の契約に基づく立替え決済でしかありません。契約外の人が使用した場合、いかなる損失が発生してもカード会社は関知しません。カードを貸して被った損失は補償されません!勝手に高額な買い物をされてしまっても、カードを貸した人の責任です。
同様に、家族にカードを預けていて紛失してしまい、不正利用された場合。
これもダメです。補償対象外。
そもそも自分の持ち物も管理できない人にお金貸せますか?
また、暗証番号も他人に教えてはいけません。基本的に家族だろうが他人は他人です。ご家族もクレジットカードを使って決済する必要があるなら家族カードを発行しましょう。暗証番号漏れによる不正利用被害は補償の対象外です。家族だろうが誰だろうが絶対に教えないこと。たかだか4ケタの数字すら管理できない人はクレジットカードの利用は控えた方が良いです。もちろん、管理しやすくするために自分の誕生日や車のナンバーといった予測が容易な暗証番号にするのも控えましょう。
暗証番号が漏れるとショッピング、キャッシング両方可能ですので、悪用されたら限度額いっぱいの被害を被る恐れがあります。最悪の場合、自己破産や債務整理などの苦境に陥りそれが原因で人生が狂う可能性だってあります。
まとめ
- 仕組みを理解せずにリボ払いや分割払いを利用するのは止めましょう。
- クレジットカードの利用明細は必ずチェックして、不正利用の有無を確認しましょう。
- クレジットカードの写真をSNSやブログで公開するのは止めましょう。
- クレジットカード利用代金は必ず期日までに口座に入金しておきましょう。万が一支払い忘れに気付いた場合はすぐカード会社へ連絡しましょう。
- カード裏面には必ずサインしましょう。不正利用されないために。
- 自分以外の人にカードを貸与しないこと。家族に使ってもらう場合は家族カード発行を!
おわりに
本記事では、クレジットカードに関心の薄い方が、ついついやりがちな6つの過ちについて書いてきました。クレジットカードは非常に便利なツールではあるのですが、ひとつ間違えればあなたに大きな被害を及ぼし得る危険性もはらんでいます。きっちり自分のクレジットカードを管理し、ルールを守ってクレジットカードライフをお楽しみください!