今回は、電車やバスなど交通機関をうまく使って、通勤や通学、勤務中の移動(客先訪問や自社オフィス間の移動) で小銭を稼ぐ方法を紹介します。使いこなすにあたって自分が利用している交通機関の電子マネーとポイント制度についておさらいしておきましょう。上手く活用することで交通費の1%~9%程度を取り戻すことができます!
公共交通機関の電子マネーとポイント
Suica(スイカ)
Suica(スイカ)はJR東日本(東日本旅客鉄道)が提供する電子マネーサービスです。JR東日本利用時において乗車券を購入せずにSuicaカードをかざす事で運賃の決済が可能で、タッチ&ゴーをキーワードに駅構内改札の混雑緩和に大きく貢献したのは記憶に新しいところ。
主に乗車用電子マネーとして利用されてきましたが、近年ではJR駅構内での買い物以外に各種コンビニやカフェなどの決済でも利用できます。基本的にプリペイド方式となっており、JR駅構内などでチャージ可能です。
また、後述するSuica以外の交通系電子マネーが相互利用を行うようになった後も「Suicaが使える → PASMOも使える」「Suica = 交通系電子マネー」と、今もなお支配的なポジションを維持しています。
- Suica付帯クレジットカード … ○
- Suicaチャージによるポイント付与…○ (オートチャージのみ、Viewカード全般で対応)
- Suica決済によるポイント付与…○ (最大1P/100円)
- Suica乗車によるポイント付与…△ (バス特典のみ)
- Suica定期券購入(カード決済)によるポイント付与…○
乗車特典がイマイチですが、Viewカード系クレジットカードと組み合わせて使う事で、乗車運賃やショッピングポイントの1~2%程度は確実に取り返せます。
PASMO(パスモ)
PASMO(パスモ)は、首都圏の私鉄、地下鉄、バス会社が共通で販売するIC乗車券のことでしたが、Suicaとの相互利用が開始されたためJRや各種コンビニ、ドラッグストア、カフェでも利用可能です。JR駅構内、私鉄駅構内でチャージ可能です。
- PASMO付帯クレジットカード … ○
- PASMOチャージによるポイント付与…○ (オートチャージのみ、対応カード多数)
- PASMO決済によるポイント付与…△ (To Meカード併用時のみメトロポイント付与、加盟店少な目)
- PASMO乗車によるポイント付与…◎ (To Meカード利用時は最大還元率約9%・ToKoPo入会で都営地下鉄利用時も1%程度のポイント付与・都バス特典○)
- PASMO定期券購入(カード決済)によるポイント付与…○
Tokyo Metro To Meカードを利用した際のメトロポイントによる還元率が凄まじく高いのが特徴です。ショッピングで使ってもごく一部も加盟店以外ポイントがたまらないのが玉にキズですが、東京メトロを主に利用する方にとっては欠かせぬ一枚のはず。
Kitaca(キタカ)
Kitaca(キタカ)は、JR北海道(北海道旅客鉄道)が発行する、交通系電子マネーカードです。Suica同様のプリペイド型の非接触IC乗車券(電子マネー)として全国で利用可能です。
- Kitaca付帯クレジットカード … ○ (JRタワーカード、Kitacaイオンカード)
- Kitacaチャージによるポイント付与…○ (Kitaca一体型のKitacaイオンカードはポイント付与あり)
- Kitaca決済によるポイント付与…×
- Kitaca乗車によるポイント付与…×
- Kitaca定期券購入によるポイント付与…×
ポイントサービス自体がありません。JR北海道の赤字体質や整備不良などが近年取りざたされていましたが、こういうやる気のなさが電子マネーカードサービスにもしっかり反映されていますね。車社会だから電車自体利用する人が少ないのかも知れませんが…。だったら税金使って維持せず廃線にしてしまえ!…と、地方に税金を吸い取られる首都圏民としてたまに思います。
ToIca(トイカ)
TOICA(トイカ)は、JR東海(東海旅客鉄道)が発行する、交通系のプリペイド型非接触電子マネーカードです。Suica同様のプリペイド型の非接触IC乗車券(電子マネー)として全国で利用可能です。トルカ(Tolca)だと思ってたらトイカでした…。
対応クレジットカードやポイント制度もなく、残念な電子マネーです。名古屋近郊や中部エリアでは後述のmanacaを使う方が断然お得なケースが多いようです。
- ToIca付帯クレジットカード … ×
- ToIcaチャージによるポイント付与…×
- ToIca決済によるポイント付与…×
- ToIca乗車によるポイント付与…×
- ToIca定期券購入によるポイント付与…×
manaca(マナカ)
manaca(マナカ)は、名古屋市交通局(市バス・地下鉄)、名古屋鉄道株式会社、名古屋臨海高速鉄道株式会社、名古屋ガイドウェイバス株式会社、名鉄バス株式会社及び豊橋鉄道株式会社の6事業者が提携し、株式会社名古屋交通開発機構及び株式会社エムアイシーが発行するプリペイド型電子マネーカードです。
ToIcaよりはかなりマシですが、東海エリアは何とも残念なことになっていますね…。
- manaca付帯クレジットカード … × (名鉄ミューズカードと紐付け可能)
- manacaチャージによるポイント付与…○
- manaca決済によるポイント付与…× (電車・バスのみの模様)
- manaca乗車によるポイント付与…○
- manaca定期券購入によるポイント付与…×
PiTaPa(ピタパ)
PiTaPa(ピタパ)は関西エリアで利用可能な交通系電子マネー。他の交通系電子マネーとは異なり、完全な後払い(ポストペイ)となっているのが大きな特徴です。電車以外の関西エリアのスーパーなどでも利用可能です。
- PiTaPa付帯クレジットカード … ? (PiTaPa自体がクレジットカードに近いですよね、後払い方式ですので)
- PiTaPaチャージによるポイント付与… なし (後払いなので)
- PiTaPa決済によるポイント付与…○ (還元率が0.01~0.1%と非常に低い)
- PiTaPa乗車によるポイント付与…◎ (請求から8%前後の割引で、素晴らしいの一言!)
- PiTaPa定期券購入によるポイント付与…?
PiTaPaのメリットは何といっても交通費の割引率でしょう。関西方面で15000円程度使用した際、請求時に1000円以上の割引きが適用されておりびっくりした事があります。
ショッピングポイントは全く期待できません。0.01%~0.1%程度の還元率なので、ショッピングに使用するべきものではないと思います。
ICOCA(イコカ)
ICOCA(イコカ)はJR西日本(西日本旅客鉄道)が運営する電子マネーです。SuicaのJR西バージョンと思えば良いでしょう。かつてのJスルーカードや定期券をFelica搭載のICカード化したもの。電子マネーとしても駅のコンビニや自販機などで支払可能です。
- ICOCA付帯クレジットカード … ○
- ICOCAチャージによるポイント付与…○
- ICOCA決済によるポイント付与… ○
- ICOCA乗車によるポイント付与…○ (毎月のJR西日本・ICOCA加盟店利用合計額200円毎に1ポイント付与)
- ICOCA定期券購入(カード決済)によるポイント付与…○
関西圏では、PiTaPa + ICOCAの2枚持ちが良さそうですね。
nimoca(ニモカ)
nimoca(ニモカ)は西鉄グループが発行・管理する電子マネーで、2010年には福岡市営地下鉄の「はやかけん」、JR九州の「SUGOCA」との相互利用が可能になりました。もちろんJR東のSuicaとも相互利用可能です。
- nimoca付帯クレジットカード … ○ (クレジットnimoca、JMB nimoca、arecore(アレコレ)nimoca)
- nimocaチャージによるポイント付与…○
- nimoca決済によるポイント付与…○
- nimoca乗車によるポイント付与…○ (電車1~3%、バス2~5+%)
- nimoca定期券購入によるポイント付与…○
後発なだけあって充実しています!
はやかけん
一人空気を読まず語呂の合わない名前…。はやかけんは福岡市営地下鉄(福岡市交通局)発行の電子マネー(IC乗車券)です。九州の交通系電子マネーであるnimoca、およびSUGOCAと相互利用が可能です。
- はやかけん付帯クレジットカード … ×
- はやかけんチャージによるポイント付与…○
- はやかけん決済によるポイント付与…○
- はやかけん乗車によるポイント付与…○ (2%)
- はやかけん定期券購入によるポイント付与…○
ANAはやかけん、などを発行している割に、ANAマイル→はやかけんの交換が出来ても逆ができないなど残念なところが目立ちますね。ただし定期券搭載型はやかけんは、サービス圏内店舗の割引きもある様なので、これを活用できるとかなりお得に使える様です。
SUGOCA(スゴカ)
SUGOCA(スゴカ)はJR九州発行の電子マネー(IC乗車券)です。他の交通系電子マネーとの相互利用が可能です。
- SUGOCA付帯クレジットカード … ○
- SUGOCAチャージによるポイント付与…○
- SUGOCA決済によるポイント付与…○
- SUGOCA乗車によるポイント付与…○
- SUGOCA定期券購入によるポイント付与…○
乗車ポイントの還元率は1% (1%未満切り捨てのため、実質1%弱)と低めですが、JR九州内の特急券割引率が5%と高く設定されており、それ以外にも弱点らしい弱点は特にない電子マネーです。
おわりに
以上、今回は交通系電子マネーを使いこなすための、ポイント付与の条件やポイント還元率についてのお話でした。いやはや、複雑で覚えきれませんね…。