前回の記事では、クレジットカード申込みの際に記入する、「年収」欄に嘘の内容を書いた場合のリスクについてお伝えしました。今回は「年収」以外の項目について虚偽の内容を記入した場合にどんなリスクがあるかをお伝えしたいと思います。
クレジットカード審査で『年収』申告に嘘を書いたらどうなるのか?
前回の記事では、クレジットカード審査において、申込者が書いた「年収」の数字を、クレジットカード会社側でどの様に扱っている ...
「年収」以外の項目に嘘の内容を書くと審査に悪影響があるのか?
年収で嘘の内容を申告した場合に、どれだけ悪い影響が発生し得るか、嘘の影響は書くべきではないという内容を前回の記事で説明しました。しかし、年収以外なら嘘を書いてしまっても大丈夫か、というと全くそうではありません。結論から言ってしまえばどんな項目でも嘘を書いた場合、それがバレたら多大なリスクがあり、二度とクレジットカードを作れなくなる可能性すらあるため、絶対に嘘は書かないべきである、ということになります。では実際に年収以外の項目を適当に書いたり、意図的に偽りの内容で申告するとどうなるのでしょうか。
氏名・年齢・住所を偽って申告した場合
氏名・年齢・住所で虚偽の内容を申告した場合、本人確認書類と申告内容が一致しないため、一発でバレます。
クレジットカードの審査では、本人確認書類が必ず必要です。一般社団法人「日本クレジット協会」によると、クレジットカード新規発行の際には以下の書類のいずれの提出を求めています。
「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(いわゆる「犯罪収益移転防止法」)により、クレジット会社は、クレジットカードのお申込みやご融資を受けられる際に、お客様が申込みのご本人であることを確認させていただく書類(公的証明書)を提示(送付)いただき、その記録を一定期間保存することが義務付けられています。お客様を確認させていただく書類(公的証明書)は、以下のとおりですので、いずれかの書類の提示(送付)をお願いいたします。
お客様を確認させていただく書類(公的証明書)
<個人の場合>運転免許証
健康保険証
国民年金手帳
児童扶養手当証書
母子健康手帳
個人番号カード(マイナンバーカード)
※個人番号の「通知カード」は本人確認書類にはなりません。
住民基本台帳カード(氏名、住居、生年月日の記載のあるもの)
※個人番号カードが交付されていなければ、その有効期限までは有効です。
旅券(パスポート)
在留カード
その他、官公庁から発行された書類等で、氏名、住居、生年月日の記載のあるもの(顔写真のあるもの)、など
<法人の場合>登記事項証明書
印鑑登録証明書(名称、本店又は主たる事務所の所在地の記載のあるもの)
その他、官公庁から発行された書類等で、名称、本店または主たる事務所の所在地の記載のあるもの、など
注1: 上記の書類は、有効期限内のものに限ります。
注2: 有効期限のない本人確認書類については、事業者が提示または送付を受ける日の前6ヶ月以内に作成されたものに限ります。引用 : 一般社団法人 日本クレジット協会
URL : https://www.j-credit.or.jp/customer/attention/identification.html
クレジットカード会社では、申込者の申告した氏名・生年月日・住所が本人確認書類の記載内容と同一であるかを必ず確認しているため、これらの項目を偽って申告したところで一発でバレます。申告内容と本人確認書類の記載内容が一致していない場合は、申告内容を修正するか、申告内容と一致している書類を提出するまで審査を通過させません。
本人確認書類を偽造した場合は、いわゆる「公文書偽造」、「偽造公文書行使」の罪の構成要件を満たすことになります。審査通過があり得ないのはもちろんの事ですが、最悪の場合詐欺罪未遂として、犯罪者として通報される可能性があります。そうなると人生詰みます。絶対に氏名・年齢・住所を偽るのは止めるべきです。
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勤務先を偽って申告した場合
勤務先として自分が勤務していない企業や団体の名称を記載した場合、審査で在籍確認が行われると虚偽申告がバレます。在籍確認とは、申告のあった勤務先に、申込者が本当に勤務しているかを確認するべくクレジットカード会社が電話をかけて確認すること、です。在籍確認で嘘がバレると正しい勤務先に修正するよう求められますが (出向元会社の正社員が、出向先を誤って記載したりその逆のパターンなど)、悪質な虚偽である場合は一発で審査落ちです。勤務先情報は年収申告内容の裏付けとする、審査に重大な影響を及ぼす項目です。そのため、クレジットカード会社によっては社内ブラックリストに登録し、その会社で半永久的にクレジットカード発行を見送られる措置を取られる場合があります。
また、アリバイ屋 (無関係の第三者が、虚偽申告にある勤務先企業・団体を装って申込者がそこに勤務している様に見せかける) を使っても、性悪説の世界に生きるクレジットカード会社の審査担当者は電話口の雰囲気や使用される電話番号から嘘を見破る可能性が高いと言われています。
勤務先情報を偽りの内容で申告することは絶対に止めておくべきです。
他社からの借入金額や借入件数を偽って申告した場合
他社からの借入金額や借入件数を偽って申告した場合、クレジットカード会社がCICやJICCなどの信用情報機関であなたの信用情報を閲覧した際に嘘がばれます。消費者金融や各種金融機関からの借入金額や件数は信用情報に記載されます。そしてクレジットカード会社は必ず信用情報機関に登録されているあなたの情報を確認します。そのため虚偽申告をしても100%嘘がバレてしまいます。
借入金額・件数は審査を通す・通さないといった判断基準のひとつにもなり、審査通過後の与信に使用する重要情報の一環であるため、虚偽申告を行うと必ず審査落ちします。また、クレジットカード会社によっては社内ブラックリストに登録し、その会社で半永久的にクレジットカード発行を見送られる措置を取られる場合があります。
借入金額・件数は正直に記入しましょう。
自宅の居住年数を偽って申告した場合
現住所の居住年数は長ければ長いほどそれだけ審査に有利になると言われています。しかしクレジットカード会社は申込者が申告した居住年数が本当かどうかの確認を取ることは基本的には出来ません。そのため、居住年数は嘘を書いてもバレにくい項目ではあります。
しかし、住所は信用情報機関に登録されるため、そこから嘘がバレてしまう場合があります。
「本当は半年しか住んでないけど、居住年数3年って書いちゃえ」と気軽に虚偽申告すると、「一年前に入会したクレジットカードの居住地」が信用情報に今回の申告内容と異なる旧住所で登録されたりしているので、その矛盾を発見されると虚偽申告がバレてしまいます。
居住年数は審査でそこまで重要視される項目でもありませんし、嘘をついてバレた時のリスクの大きさ(カード会社によっては永久ブラック)を考えると、リスクばかりが大きいため正直に申告しましょうね。
自分は収入が低く勤務先企業も無名なんだけど、クレジットカードを作ることはできないの?
収入に自信がなかろうが、勤務先企業が無名だろうが、可能な限り正確な情報を申告しましょう。「低年収はお断りだ」というクレジットカード会社など今どき殆どありません。また、昨今はどのクレジットカード会社も顧客獲得に以前よりもずっと真剣に取り組んでいます。web審査で落ちても、審査窓口と交渉して収入証明書類を提示することで審査結果が逆転するケースもあります。審査も最後は結局人間が決めますから。
- 継続した収入があること
- きちんと毎月返済してくれること
この二つが満たせていれば、限度額100万円以下で発行してもらえるクレジットカードはいくらでもあります。代表的な例を以下に挙げておきます。
- 楽天カード
- 三井住友VISAクラシックカード
- セゾン パール・アメリカン・ エキスプレス・カード
- Yahoo! JAPANカード
- ライフカード
- JCB CARD R
- ANAアメリカン・エキスプレス®・カード
また、こうしたエントリーレベルのクレジットカードを使い込んでいくことで、あなたのクレヒスが積み重ねられていくことにもなります。ゴールドカードやそれ以上の上位カードを取得したいと思ったとき、クレヒスの積み重ねは年収以上に効いてきます。少しずつ欲張らずに一歩一歩積み重ねていくことが大事です。