今回は三菱UFJニコス発行の事実上の「ブラックカード」である、MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード<プレミア>(PREMIER MEMBERSHIP for recognized VIP only)、通称Recognized VIPについての紹介と審査難易度などの考察記事です。
このカードについてもLUXURY CARD GOLD並に限られた情報しか出回っていません。しかし国際ブランドのアメックスにおけるグレードはプラチナカードです。ということで、世間においてはほぼ知られていない、知る人ぞ知るブラックカード級カードという位置付けのカードとして解説します。
本記事のポイント
- 通常のMUFGプラチナアメックスカードとRecognized VIPは何が違うのか?
- MUFG Recognized VIPを持っているとどんないいことがあるの?
- MUFG Recognized VIPを取得するにはどうすればいいの?
- MUFG Recognized VIPの審査はどれぐらい厳しいの?
謎に包まれた銀行系ブラックカード「MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード<プレミア>」とは?
三菱UFJニコスの発行するクレジットカードの最上位カードと言えば、「MUFG・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」と言われています。しかし、これとは別に選りすぐられた上級顧客や上級顧客予備軍とでも言うべき高属性の人たち限定で、MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード<プレミア>、通称「Recognized VIP」のインビテーションが送達されています。付帯特典はMUFGプラチナアメックスのものと同じ、もしくはアップグレードされており利用限度額も大きく異なります。事実上のブラックカード級カードと言って良いでしょう。
出典 : NAVERまとめ (MUFG Recognized VIP がすごい【伝説のクレジットカード】)
こちらは通常のMUFGプラチナアメックスの券面です。
通常の券面デザインとは異なり、「PLATINUM」の文字の下に"Premiere Member”という刻印があります。更に会員の氏名の上に小さく、"Recognized VIP”の文字が。これが本カードの通称の由来にもなっています。カード券面における違いはこれだけで、他に特別な加工が施されているわけでもなければカード材質が通常と異なるわけでもありません。LUXURY CARDやアメックスセンチュリオンと比較するとこの辺りは少々物足りないかも知れません。
あくまで位置付けは「ブラック級」、もしくは「アッパープラチナ」なプラチナカードです。JCBゴールドに年会費をプラスして様々なサービスがアップグレードされる、JCBゴールド The Premierに似たコンセプトのクレジットカードと言って良いでしょう。
因みに、MUFGプラチナアメックスがCMに鹿が出ていたことから、「黒鹿」と呼ばれていたのに対して、このカードを「超黒鹿」と呼ぶ方もいます。
通常のMUFGプラチナアメックスがどんなカードか知りたい方は以下の記事を読んでみて下さい。
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードの説明書2018年版【低年会費プラチナの王者】
今回は個人的に超おススメのイチオシプラチナカード、「MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」の魅力を ...
続きを見る
Recognized VIPの入手方法や審査難易度
本カードもブラックカードの例に漏れず招待制のカードです。そのため何らかの手段でインビテーションをもらうことが取得の必須条件となります。三菱UFJニコスの公式サイトにも情報は掲載されておらず、緘口令でも敷かれているのか公式はもとよりホルダーからの情報発信も非常に少ないカードとして知る人に知られるカードです。
三菱UFJ銀行の支店長からお誘いがある
三菱UFJ銀行に高額の預金(数千万円~一億円以上)をしている場合、本カードの招待状が支店長から届く場合があるようです。
銀行支店長の推薦はいわば優良顧客であるお墨付き。一定水準以上の高額な預貯金があり取引実績も豊富な顧客として紹介されるので、恐らく今でもこのパターンが多いのではないでしょうか。
この紹介のされ方であれば、審査通過率もほぼ100%と思われます。
いわゆる「突撃」も可能か
銀行に対してこのRecognized VIPについて問い合わせをすると、預貯金額や取引実績が基準を超えていればもしかすると紹介してもらえそうな感じがします。
ただし基準を満たさない場合、「そんなカードない」、「そういうカードはあるけど紹介基準が良くわからないから貴方を紹介することはできない」、といった感じに軽くあしわられてしまうようです。
また、仮に紹介されることが出来ても、最低数千万円以上の預金や投信残高が要求されるため基準はかなり厳しいと言わざるを得ません。
一支店につき2人程度までの超レアカード?
支店ごとに超優良顧客2人程度にしかインビテーションを出さないとも言われており、これが事実であれば日本国内でもホルダーの人数は極めて少ないと想定されます。2018年4月時点で515店の支店が国内にあることから、ホルダーは多くても1,000人少々しかいないんじゃないでしょうか。
スマホゲームのガチャのレア度で言えば、SSR級のレアカードと言って良いでしょう。ある意味センチュリオンよりもレアなのかもしれません。
複数年の銀行との取引やローン残高も加点対象に
この辺り、スルガ銀行のSURUGA VISA Infinite (インフィニット) にもかなり似ていますが、三菱UFJ銀行の住宅ローン残高も加点対象になりスコアとしてカウントされる模様です。三菱UFJ信託銀行などのローン残高や返済実績もカウントされるのでしょうか?この辺りは全く不明です。
MUFGプラチナアメックスからのアップグレードは期待薄?
数少ない取得事例から、これまでMUFGプラチナアメックスのホルダーでない方に対して突然インビテーションが届いたという事例もあります。このことから必ずしも黒鹿ホルダーからインビテーション送付先候補者を選んでいるわけではないということがうかがえます。
JCB THE CLASSの様に、年間である程度の金額を決済し続けて一定額に到達した優良顧客へインビテーションを送るという方式のブラックカードと比較するとかなり難易度を押し上げている要因に見えてしまいます。
今後のインビテーション送付基準について
これまでのところ、各支店に1~2人と言われており、全国の支店は515店 (2018年4月) でしたが、三菱UFJ銀行は支店の約15%に対して統廃合を進めていく旨の発表を行っています。
- 減った支店の分だけホルダー数を減らす
- これまでと異なるインビテーション送付基準を用いる
今後は上記二つの内いずれかの基準でインビテーション送付先を決定していくことになるわけですが、
Recognized VIPと通常のMUFGプラチナアメックスの違い
通常カードとの違いを表にまとめました。
Recognized VIP | MUFGプラチナアメックス | |
---|---|---|
カードデザイン | Premium Member、Recigonized VIPの刻印あり | 普通のプラチナカード |
年会費 | 年間300万円以上利用で20,000円+税、それ未満の場合50,000円+税 | 20,000円+税 |
家族カード | 完全無料 | 1枚目無料 2枚目以降、3,000円+税 |
利用限度額 | 入会時、最低500万円から | 入会時、最大500万円 |
レストラン無料サービス | 招待日和 : 専任担当者が予約をしてくれる | プラチナ・グルメ・セレクション : 自分でサービスデスクに予約依頼 |
旅行傷害保険 | 海外 : 最大1億円(自動付帯) 国内 : 最大1億円(自動付帯) ショッピング保険 : 年間最大500万円 | 海外 : 最大1億円(利用付帯)または最大5,000万円(自動付帯) 国内 : 最大5,000万円(自動付帯) ショッピング保険 : 年間最大300万円 |
プライオリティパス | 同伴者一名無料 | 同伴者有料 (2,000円+税) |
専任コンシェルジュ | あり | なし |
カードの券面
基本のデザインは同じですが、Recognized VIPには、「Premiere Member」と「Recognized VIP」の文字が入ります。ささやかながら特別な人にだけ発行される上級カードであることを主張しています。
外見上の差異は殆どないため、このささやかな「特別会員」の証に満足を覚えられるかどうかは人によって異なりそうです。メタルカードでも出してくれると分かりやすいんですがね…
年会費 (本会員・家族カード)
通常カードは20,000円+税であるのに対して、Recognized VIPは年間300万円以下の場合、50,000円+税の年会費がかかります。年間300万円以上の決済を行うことでようやく通常カード年会費と同額へ割引されます。
専任コンシェルジュや更に充実した付帯保険などのサービスに充てられるということですね。
また、Recognized VIPの場合太っ腹にも、家族カードを何枚発行しても一律無料です。年会費一人目無料・二人目以降は3,000円+税の通常カードと比較すると18歳以上のお子様に家族カードを発行したりする場合には嬉しい特典です。Recognized VIPを発行してもらえる人にとっては言わばはした金かも知れませんが。
利用限度額
通常カードだと最大500万円まででしたが、Recognized VIPは最低500万円からです。限度額はブラックカードにふさわしい金額になっています。
旅行保険・プライオリティパス
海外・国内旅行傷害保険ともに最大補償額が1億円になっています。通常カードの場合、海外で自動付帯分5,000万円 + 利用付帯分5,000万円 = 合計最大1億円でしたが、完全自動付帯へアップグレード。国内旅行傷害保険も最大1億円にアップグレード。
プライオリティパスについては同伴者1名無料のオプションが付いたものが付帯します。家族カードを発行できない18歳未満のお子様連れの海外旅行で威力を発揮しそうですね。
専任コンシェルジュが付く
アメックスセンチュリオンやLUXURY CARD GOLDのように専任のコンシェルジュサービスが付いてきます。この専任コンシェルジュも、ブラックカードに付帯するサービスの代表的なもののひとつですね。
また、コンシェルジュ利用の際の連絡先も<プレミア>専用の電話番号が用意されています。一般プラチナユーザが利用するコンシェルジュの電話窓口が仮に込み合っていたとしてもプレミアユーザはスイスイ利用できます。
その他サービスの優先利用
例えば、プラチナ枠で確保しているゴルフ場の利用権ですが、こちらも<プレミア>のユーザ優先で利用可能とのこと。Recognized VIPの言葉どおりという事に。
Recognized VIPの価値
Recognized VIPと通常カードの違いを手短にまとめると以下のとおりになります。
- 券面デザイン … わずかな差
- 年会費 … 利用額が少ないと通常カードより上昇してしまう可能性あり
- 付帯特典 … 通常カードより上
- アメックスのグレード … いずれもプラチナカード
ブラックカード級のカードではありますが、通常カードと同様のプラチナグレードのままであることから、自ずとベネフィットはそこまで大きな広がりを見せません。またカードデザインも大きく変わらないため今一つ所有欲を刺激しません。
JCBゴールド The Premiereの様に明らかに通常カードとは異なるデザインにしてくれるとこのカードを目指して精進する方ももっと出て来そうなものですが、MUFGカードの方針なのかシェア拡大を目指している様には見えません。
おわりに
今回は通称Recognized VIP、「MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード<プレミア>」について、以下の点に付いてお話ししました。
- 通常のMUFGプラチナアメックスとの券面デザインや付帯特典の違い
- インビテーション送付先の選定基準
今回も最後まで読み進めて下さってありがとうございました。