VISAカードはプラチナクラスから途端に種類が限られてきます。そんな中、インビテーションによる加入しか受け付けていなかったことで有名なエポスのプラチナカードが昨年秋ごろに自己申し込み可能になりました。VISAプラチナカードの選択肢が増えるのは喜ばしい事ですね。しかしながら、エポスは従来よりインビテーション(優良会員への招待状)によるアップグレードを受けた人を、自己申込み会員よりも優遇することで知られているカード会社です。プラチナカードではどのような差があるのでしょうか。
今回はそんなエポスプラチナカードの審査難易度や、インビテーション発行の条件に付いて書いていきます。
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エポスプラチナカード、自己申込みとインビテーション会員の年会費
従来、エポスカードのプラチナグレードはインビテーションのみによる発行とされてきました。しかしながら、新規会員獲得に舵を切ったのか、17年秋ごろに自己申込み可能となりました。
エポスプラチナカードの年会費はこれまで20,000円(税込)でした。今後はインビテーション会員は20,000円(税込)、自己申込み会員は30,000円(税込)となりました。
※ 通常、カード年会費は税抜き○○万円というのが多いですが、エポスは税込みです。この辺り地味に良心的ですね。
インビテーションが届いてから所定期間内に申し込めば年会費が永年20,000円です(ルール変更が行われない限り)。自己申込み会員は年会費30,000円となります。しかし年間利用金額が100万円を超えた場合、翌年以降の年会費が20,000円となります。インビテーションを受けて入会するためにゴールドカードでがんばる必要がなくなってしまったと言える状況です。
※ 年間100万円使えば、翌年「以降」ずっと年会費20,000円です。エポスプラチナに突撃して入会できた場合、一年間で100万円以上の決済を行い、翌年からの年会費を1万円減らすのが得策です。
※ 年間利用金額の集計対象期間は、プラチナカード申込後1年間です。暦年(1月~12月)や年度(4月~翌3月)ではありませんのでご注意を!
以下、エポスゴールドカードとプラチナカードのインビテーション会員と自己申込み会員の年会費についてのまとめです
インビテーション会員年会費 | 自己申込み会員年会費 | インビ会員と同年会費になる条件 | |
エポスゴールドカード | 無料 (!) | 初年度5,000円 | 年間50万円以上の利用 |
エポスプラチナカード | 20,000円 | 初年度30,000円 | 年間100万円以上の利用 |
エポスプラチナカード、インビテーション発行の条件とは?
エポスゴールドカードによる年間100万円以上の決済、が条件となっているようです。以前からエポスは年50万でゴールド、年100万でプラチナと言われていましたが今回のプラチナ自己申込み可能への制度変更でこれまでのうわさが概ね事実であったということになると言って良いでしょう。また、丸井での決済額は特に審査の要素にはなっていないようです。生活費や光熱費の決済でもとにかく100万に到達すればOKということの様です。
エポスカード(平)からでも2年弱ぐらいでプラチナに到達可能な様です。エポスカード取得 → 一年以内に50万円以上決済 → ゴールドへのインビテーション発行 → ゴールドカードで一年以内に100万円以上決済、という流れです。ここで「2年弱ぐらい」と曖昧に書いたのは、エポスカード → ゴールドカードおよびゴールド → プラチナへのアップグレードに際して、下位カードの最低加入期間が恐らく内部で定められているから、というのが理由になります。
楽天カードだと最短で2~3か月程度で楽天プレミアムカードへのインビテーションが来たことがありますが、エポスだともう少しこの「最短」期間が長いように見受けられます。推測ですがゴールドカードへのアップグレードでも半年かかるように見受けられます。ゴールド → プラチナへのインビテーション発行に際しては、インビテーションをもらった方の事例を見ているとおおよそ1年が最短加入期間の様です。
有名どころの他社カードだと、プラチナグレードへのインビテーション発行基準はおおよそ以下のとおりです。
- ダイナースプレミアム … 年間200万 ~ 400万円程度の決済でプレミアムインビテーション発行
- アメックスプラチナ … 年間200万 ~ 300万円程度の決済でプラチナインビテーション発行 (かなり属性を見る模様。低属性ほど高い決済額が要求される。)
- 三井住友VISAプラチナ … 年間300万円~の決済でプラチナインビ受領の報告多数。年収などの属性も加味されている模様。
- JCB THE CLASS … JCB Gold The Premiere(JCBゴールドの1個上のグレード)で年間300万円~の決済でインビテーション受領の報告例多数。
これらと比較してみると、エポスプラチナカードのインビテーション発行基準はプラチナグレードとしてはかなり緩い基準であると言えるでしょう。
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エポスプラチナカード、自己申込みの審査難易度
クレファンの参考情報として、年収800万円の方 (エポスゴールド既存会員) がプラチナへのアップグレードを申請して審査に通過しています。インビテーション会員の平均的なショッピング枠が300万円なのに対して、この方はショッピング枠150万円となっています。
恐らくエポスカードでの利用実績が少なく、ゴールドカード加入期間も1年に満たない方なのだと思われます。やはりインビテーション会員に対して大盤振る舞いなのに対して、どこの馬の骨とも知れぬ(失礼!)申込みに対してはかなりシビアに審査している様に見受けられます。
傾向として、JCB THE CLASSの様に自社カードの利用実績や加入期間を重視する様です。ただし、他社と異なり門前払いなのではなく、一応カード発行はするが枠は少な目で!という方針の様ですね。この辺り実に日本的というか、アメックスや楽天とは全く異なる方針ですね。
エポスプラチナカード、年会費のカラクリ
エポスプラチナカードで年間100万円以上利用すると、エポスポイントがボーナスとして20,000ポイントもらえます(200万円だと30,000ポイント、300万円で40,000ポイント)。
通常のカード利用での200円=1ポイントのポイント還元(※.1)とは別枠でもらえます!
(※.1 丸井以外での決済で200円につき1ポイント、丸井関連の決済は200円2ポイント、分割決済やリボ払いで200円3ポイントまで還元率up)
そしてこのポイント、エポス発行のVISAデビットにチャージすることで、VISA加盟店で1ポイント1円で使えます!
年間100万円以上使ってくれるお客様には事実上年会費無料にしますよ、と言っているに等しいですね。
エポスプラチナカードによる年間決済額 | 付与されるボーナスポイント |
---|---|
100万円以上~200万円未満 | 20,000ポイント(2万円相当) |
200万円以上~300万円未満 | 30,000ポイント(3万円相当) |
300万円以上~500万円未満 | 40,000ポイント(4万円相当) |
500万円以上~700万円未満 | 50,000ポイント(5万円相当) |
700万円以上~900万円未満 | 60,000ポイント(6万円相当) |
900万円以上~1,100万円未満 | 70,000ポイント(7万円相当) |
1,100万円以上~1,300万円未満 | 80,000ポイント(8万円相当) |
1,300万円以上~1,500万円未満 | 90,000ポイント(9万円相当) |
1,500万円以上 | 100,000ポイント(10万円相当) |
実質ポイント還元率も変わってきます。
年間利用額100万円未満の場合
- 200円で1ポイント還元 >> 還元率0.5%
年間利用額100万円以上~200万円未満の場合
- 通常ポイント還元
200円で1ポイント還元 >> 還元率0.5% - ポイントボーナス最大効率
100万円利用時 >> 20,000円÷100万円 = 2.0% - ポイントボーナス最低効率
1,999,999円利用時 >> 20,000円÷1,999,999円 ≒ 1.0%
実質ポイント還元率として1.5% ~ 2.5% となります。
年間利用額200万円以上~300万円未満の場合
- 通常ポイント還元
200円で1ポイント還元 >> 還元率0.5% - ポイントボーナス最大効率
200万円利用時 >> 30,000円÷200万円 = 1.5% - ポイントボーナス最低効率
2,999,999円利用時 >> 30,000円÷2,999,999円 ≒ 1.0%
実質ポイント還元率として1.5% ~ 2.0% となります。
年間利用額300万円以上~400万円未満の場合
- 通常ポイント還元
200円で1ポイント還元 >> 還元率0.5% - ポイントボーナス最大効率
300万円利用時 >> 40,000円÷300万円 ≒ 1.33% - ポイントボーナス最低効率
3,999,999円利用時 >> 40,000円÷3,999,999円 ≒ 1.0%
実質ポイント還元率として1.5% ~ 1.83% となります。
決済額が増えるほどボーナスポイント還元率が悪化していきます。
結論として、100万円ピッタリ使うのが一番お得なポイント還元率になる、ということになります。
高額利用者により多く還元するとよりユーザをつなぎとめておけると思うんですが…。高額決済する人ほど他社に流れてしまうからでしょうか。
以上、エポスプラチナカードの入手難易度やポイント還元率に関する解説でした。
エポスプラチナカードのベネフィットについての解説などはまた別の記事で書こうと思います。