今回は最近よく聞く、「共通ポイント」という言葉の意味や、日本国内で現在主流となっている共通ポイントについて解説します。
以下の解説を読んでいただければ、「共通ポイント」が実際にご自身の生活に思いの外食い込んできている事や、生活圏内でよく使うお店やサービスなどからご自身に向いている共通ポイントが何になるのかが分かります!
共通ポイントとは?
共通ポイントとは、元々グループ企業内各社や提携企業各社でバラバラに運営していたポイントプログラムを一元化し、ポイントの「相互乗り入れ」を行うことで集客力を高めたり、顧客の囲い込みを行おうという試みのもとに立ち上げられた大規模なポイントプログラムを指します。
「〇〇ポイントが使えるからあのお店に行こう!」と思ってもらい、お買物やサービスを使ってもらうことが共通ポイントの主目的です。
ユーザ側としても、たくさんのお店でお買物をする場合に、いちいちお店ごとのポイントカードを持ち歩く必要がなく一つのポイントカードに集約できるため財布のスペースを大きく節約できるといった地味ながら重要なメリットがあります。また、ポイントを集約して無駄なく利用できるのも言うまでもない大きなメリットでしょう。
主要な共通ポイントプログラム
Tポイント
日本で最もメジャーな、共通ポイントの走りともいえるポイントプログラムです。レンタルビデオのTSUTAYAを運営するCCC (カルチュア・コンビニエンス・クラブ) を母体とする「Tポイント・ジャパン」および「Tポイント」の二つの企業によって運営されています。
主な参加企業・店舗
- TSUTAYA
- ファミマ
- ドトールコーヒーショップ、エクセルシオールカフェ
- Yahoo!JAPAN
- エネオス (ガソリンスタンド)
- ガスト、バーミヤン、ジョナサン (ファミレス)
- ウェルシアグループ、ドラッグユタカ (ドラッグストア)
- 洋服の青山
- カメラのキタムラ
- エディオン
- アイシティ
- マルエツ (スーパーマーケット)
- 東武ストア
当初は画期的なサービスでしたが、各加盟店が発行した異なるTポイント番号を持つそれぞれのカードに独立してTポイントが貯まってしまうため、ポイントが分散して有効利用しづらい欠点がありました。
2013年のソフトバンクとの包括提携により、Yahoo! JAPAN IDとTポイントIDを一元化して管理する (個々のTポイントカードにたまったポイントをYahoo! JAPAN IDへ移行可能とした) ことでこの問題は解消に進んでいます。
ファミマTカードJCB 、 Yahoo! Japanカード や マジカルクラブTカードJCB などのクレジットカード利用でも貯めることができ、利用可能なサービスや店舗を見つけられないことはまずないと言えるほど普及しています。航空系マイレージプログラムとの提携先として、ANAマイレージクラブへの交換も可能です。(Tポイント 2P → ANA1マイル)
楽天スーパーポイント
日本発の総合インターネットサービスを展開するIT企業、楽天が展開する共通ポイントサービスです。創業当初からのショッピングモールサイト「楽天市場」や「楽天トラベル」、「楽天ブックス」、「楽天オークション」などを利用することでポイントを貯めたり、利用することが出来ます。
楽天関連企業サービスのみならず、楽天グループ外の加盟企業も増加しており、一大経済圏を築き上げています。しかしTポイントの牙城を崩すまでには至らず、新興のdポイントも登場したことで今後の動向が注目されます。
主な参加企業・サービス
- 楽天市場
- 楽天トラベル、楽天オークション、楽天ブックス、楽天Kobo、etc.
- 楽天銀行、楽天証券、楽天保険、etc.
- サークルKサンクス (ファミマによる買収で提携終了)
- デイリーヤマザキ、ポプラ、生活彩家 (コンビニ)
- 大丸、松坂屋 (百貨店)
- ツルハドラッグ、くすりの福太郎、ダイコクドラッグ (ドラッグストア)
- マクドナルド
- カフェ&バー PRONTO (プロント)
- ミスタードーナッツ、くら寿司、ペッパーランチ、つぼ八 (飲食店)
- タニタ食堂
- 紳士服のコナカ
- ビックカメラ、ソフマップ、上新電機 (Joshin) (家電量販店)
各種サービスで貯めた楽天スーパーポイントは会員ごとに一つ発行される単一の「楽天ID」へ全て集約されるのでTポイントの欠点でもあったサービス、Tポイントカードごとにポイントが分散されてしまう点を克服しています。貯めたポイントを一元化して無駄なく利用できる点は楽天のポイントサービスの大きな強みでしょう。
「ポイントの一元化」については後述のPontaやdポイントと言った後発の共通ポイントサービスでも採用されています。何も考えず管理の手間をかけなくてもポイントを一元化できるというのがいかに画期的であったかという証左でしょう。
これらの加盟店での楽天ポイントカード提示および 楽天カード の利用でも貯めることができます。
各業界の大手チェーン店以外に、地方の中小規模のお店を数多く取り込み始めているため今後の勢力拡大が注目されます。
航空系マイレージプログラムとの提携先として、ANAマイレージクラブとの相互交換を行っています。(楽天2P → ANA1マイル、ANA1マイル → 楽天1P)
また、楽天がイーアクセス亡き後の第4の大手キャリアとして名乗りをあげ、KDDIとの提携が決まったことからau WALLETとの何らかの形での提携も予想されるなど動向に注目が集まります。
Ponta (ポンタ)
Pontaは三菱商事の関連企業、「ロイヤリティ マーケティング」社が運営する共通ポイントプログラムです。「ポイントがポンポンたまる」というキャッチフレーズの、ローソンでよく見かけるタヌキのようなアレをご存知の方も多いでしょう。
2010年の立ち上げで、共通ポイントとしては後発の部類ですが、立ち上げ当初から多数の会員を関連企業から引き込み、わずか二年で4,000万人以上の会員獲得に成功し、一大共通ポイントへとのし上がりました。2018年10月末現在の会員数は8,866万人と非常に大規模な共通ポイントプログラムです。
主な参加企業・サービス
- LAWSON (ローソン)
- 高島屋
- Tomod's (トモズ)
- ライフ (スーパーマーケット)
- KFC (ケンタッキーフライドチキン)、大戸屋、ピザハット
- じゃらん (リクルート)、JRキューポ (JR九州)
- JALマイレージバンク (日本航空)
- ルートインホテルズ、京阪グループホテル
- シェル石油、日産レンタカー、オリックスレンタカー
- HOT PEPPERグルメ・HOT PEPPER Beauty
- GEO、朝日新聞デジタル、ダイヤモンド社、プレジデント社、ジュンク堂書店
- ポンパレモール
各種サービスで貯めたPontaポイントは「Ponta Web」で自分のアカウントへ紐付けを行うことで集約可能です。貯めたポイントを一元化して無駄なく利用できます。
航空系マイレージプログラムとの提携先として、JALマイレージバンクとの相互交換を行っています。(Ponta 2P → JAL1マイル、JAL1マイル → Ponta 1P)
これらの店舗やサービス利用時にPontaカードを提示してポイントが貯まる以外に、 JMBローソンPontaカード やシェル-Pontaクレジットカードの利用でもポイントが貯まります。
また、 リクルートカード (還元率1.2%) の利用で貯まるリクルートポイントをリアルタイムにPontaポイントに移行可能です。
Pontaポイントの詳細はこちらの記事をご参照下さい。
Pontaポイントの説明書2018年版~何故JALマイルに交換できてANAマイルはダメなの?答えは株にあった!~
今回は共通ポイント「Pontaポイント」について、なぜJALマイルに交換できるのにANAマイルはダメなのか、なぜローソン ...
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dポイント
dポイントはNTTドコモが主催する共通ポイントサービスです。共通ポイントプログラムとしてはやはり後発の部類で、開始されたのは2015年です。しかしながら短期間でNTTドコモ携帯電話の会員をはじめとして多数の会員を獲得しているほか、急速に加盟店・参加企業を増やしたことで猛烈な追い上げを見せています。
NTTドコモの携帯電話・スマートフォンやドコモ光回線 (固定回線)の毎月の料金支払いでポイントが貯まるほか、楽天と同様のdショッピングに代表されるショッピングモールや、dトラベル、dブックといったサービスを開始したことで楽天と競合する分野も多いでしょう。楽天がKDDIと組んだのも分かる話ですね。
主な参加企業・サービス
- NTTドコモ (携帯・固定回線)
- dマーケット (dショッピング・dヘルスケア・dデリバリー・dブック・dトラベル、etc.)
- LAWSON (ローソン)
- マツキヨ・どらっぐぱぱす (ドラッグストア)
- サツドラ
- 高島屋、東急ハンズ、
- マクドナルド
- ライフ (スーパーマーケット)
- AOKI (紳士服)
- タワーレコード
- メガネスーパー
- Joshin、ノジマ
- メルカリ、無印良品ネットストア、アニメイトオンラインショップ
- Vanilla Air
NTTドコモ携帯・スマホや光回線の毎月の利用料金支払い、上記に代表される加盟店での利用以外に、 dカード および dカード GOLD といったクレジットカードの利用でもポイントが貯まります。
各種サービスで貯めたdポイントは「dアカウント」へ紐付けを行うことで集約可能です。貯めたポイントを一元化して無駄なく利用できます。
航空系マイレージプログラムとの提携先として、JALマイレージバンクへの交換が可能です。(dポイント 2P → JAL1マイル)
これから来るかもしれない、エムアイポイント
MI POINT (エムアイポイント) は三越伊勢丹グループが提供するポイントプログラムです。三越伊勢丹グループはTポイントと提携していましたが提携を打ち切り、自社グループで審査・発行を行うエムアイカードを中核としたクレジット・ポイント経済圏の確立を目指しています。
最も後発という事もあり、参加企業は三越伊勢丹グループ企業かごく少ない提携企業のみで、会員数もまだまだ少ないと思われます。
主に MICARD(エムアイカード) 、 MICARD+ (エムアイカードプラス) などの三越伊勢丹のクレジットカード利用でポイントが貯まる他、三越伊勢丹店舗やグループ企業店舗でポイントアップ特典があります。
おわりに
今回は「共通ポイント」という最近よく聞く用語の解説と、2018年11月現在の主要な共通ポイントについての解説でした。
最後までお読み下さりありがとうございました。