このほど総務省より、「ふるさと納税に関わる現況調査結果」なるレポートが公表されました。このレポートは10ページ程度の分量しかありませんが、寄付金トップNの自治体リストや返礼品が過剰に豪華な自治体リストなどがまとめられております。ここから面白い情報が読み取れます。
その最後に、「総務省の指導に耳を貸さない自治体リスト」があります。
正しくは、<返礼割合3割超の返礼品及び地場産品以外の返礼品をいずれも送付している市区町村で、平成30年8月までに見直す意向がなく、平成29年度受入額が10億円以上の市区町村>
かねてより、ふるさと納税による寄付金への返礼品は還元率3割程度までにするように!と重ねて指導をしてきた総務省ですが、一部自治体がガン無視を決め込みひたすら都市部の税金を吸い上げている現状にブチ切れ、もはや総務省公認のブラックリストとでもいうべき意味合いのリストが公開されてしまった様です。
急げ!ふるさと納税。豪華な返礼品は今年で最後かも!
以下の記事にも書いておりますが、私はふるさと納税という制度自体に疑問がないわけでもないですし、都市部の労働者が稼ぎ出した税金が多数の業者の中抜きを経て非効率に地方にバラまかれる現状にも疑問を抱いています。やるならもっと地方が経済的に自立できるように使われるべきだと。そして東京23区も自粛などせずにガンガン競争に参加するべきだと。しかし現状は、終末医療を受ける老人をただ生き永らえさせるごとく、ふるさと納税で得られたお金は地方公務員の日々のメシ代に全額使われるだけで、自分が稼げるようになるための施策には全然使われていないようです。
お役所や公立学校の様に、何もせず黙っていてもカネが降ってきたり客が来てくれる環境にいるとどうしても人間は堕落しやすいです。だからこそ常に適度な競争にさらされて緊張感を保つべきだと考えています。
NECが没落した原因の一つも、「ウチは黙ってても客が来てくれて売れる」と末端社員までが思っていたことであると思います。皆さんの職場にも横柄で、自分のお給料の出所を弁えていない非営業系の総務部員や人事部員などいませんか?ああなってはダメです。
ふるさと納税の功罪【「豪華な返礼品」に異議も ふるさと納税で大都市にしわ寄せ】
ふるさと納税は制度も簡略化され、以前から、東京23区など大都市は「返礼品」で納税者を集めるやり方には反対していました。し ...
しかし、私が一人でぷんすかしていても、私たちの支払った地方税は今もバラまきの対象になっています。
ならばせめて前向きな気持ちで一円でも多く取り返すのが賢いやり方です。自分の主義主張に拘って何のメリットももたらしてくれない知らない自治体につぎ込まれるだけの住民税を機械的に自分の居住自治体へ支払うのは無駄というものです。
ウダウダと前口上を述べましたが、せっかくなのでネットショッピング 良い返礼品をくれる「応援」したい自治体選びを楽しみましょう、ということです!
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総務省が目を付けた自治体リスト = 豪華返礼品をくれる自治体リスト
総務省が公式にこんなレポートを発表して、その中で要注意自治体リストとして扱われているいくつかの自治体ですが、ふるさと納税をしている人から見れば「優良自治体リスト」でもあります。
地場産品に拘らずに、返礼率3割を超える品物をプレゼントしてくれるのです。見逃す手はありませんね。
- 大阪府泉佐野市 (135.3億)
- 佐賀県みやき町 (72.2億)
- 佐賀県唐津市 (43.9億)
などなど、そうそうたる顔ぶれです。
おすすめ、ふるさと納税サービス
おすすめのふるさと納税サービスは以下の2つです!
こちらは家電製品の返礼品が充実しているのが特徴です。ノートPCやプリンタなどの周辺機器、ダイソン、ルンバ、ブラウンなどの外資メーカーや、東芝などの国内メーカーの家電製品まで一通りそろっています。
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ふるさと納税でマイルを貯めよう!【JALカード編】
2017年が終わりもう一か月以上が経過しました。早いもんですね。そろそろ2018年分の「ふるさと納税」の計画を立てている ...
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総務省レポートからわかること
ふるさと納税の規模は拡大しているが、一部自治体に偏りが生じている
以下のレポートから引用したグラフを見てもらえばわかる通り、ふるさと納税の規模は年々拡大しています。特に2014年の規制緩和以降その傾向が顕著です。
昨年2017年に至っては実に3653億円がふるさと納税によって自治体間で受け渡しされています。
しかしながら、受入額 (寄付をもらう額) が多い自治体のトップ20だけで実に915.45憶円の寄付金を得ているのが現状です。
実に25%の寄付金がこのトップ20自治体に流れているのが分かります。当然ながら「寄付金をもらう金額」ー「寄付で流出する金額」がマイナスになればその自治体はふるさと納税制度のおかげで税収が減ります。これに東京23区は腹を立てて、「ふるさと納税で地方に寄付すると保育園や公園が作れなくなる」、などと住民を脅してふるさと納税させるまい、としているわけですね。
民間企業は赤字ならボーナス出ませんよ。地方公務員も競争して赤字ならボーナス出す必要ないんじゃ?と二流外資系企業勤務の私などは思うわけですが・・・
ふるさと納税は「税金の再分配」という意味合いからは非効率?
ふるさと納税による税収の内、実に55%以上が経費として消えています。
トップ支出項目は返礼品調達、4割弱を占めています。その他の項目で、「決済等に係る費用」、「事務に係る費用、その他」で全体の9%ほどを占めています。
返礼品調達は各自治体が指定した(指定方法は非開示)業者からの購入でしょうし、決済費用はクレジットカード会社や銀行への手数料、事務に係る費用の部分に、「さとふる」や「ふるなび」、「楽天ふるさと納税」といったふるさと納税サイトに支払う、いわばアフィリエイト報酬が含まれているということでしょう。
3653億円のふるさと納税寄付金の内、実に2000億円近くが民間業者に流れていることになります。
これに人件費も含まれるのであれば、企業の営利活動としては素晴らしく良い利益率ですが、自治体が非営利活動として行う、「善意による寄付」を建前とした制度においてこの経費の割合はいかがなものでしょうか。。。
総務省から見た、「ブラックリスト入り」自治体
以下、総務省通知に従う意向のない自治体、ふるさと納税で儲かりまっかな自治体です。
個人的にこの中では佐賀県みやき町がイチオシです。ダイソン、ブラウン、ルンバといった家電が勢ぞろい。いちいち食品を選ぶ手間も省けて高額納税でガツッとクレジットカードポイントバックも受けられます。
この中の自治体だったと思いますが、返礼品に期間限定とはいえ、三菱UFJニコスギフトカードが含まれていて度肝を抜かれたのは覚えています。
どこもなりふり構わず多額の寄付金を得るために返礼品選びに頭を悩ませ、競争に勝ち抜いて、市場で大きなシェアを占めるに至った自治体です。担当者の方は民間企業に行けばそれなりにお仕事のできる方たちが揃っているのだと思います。皮肉ではなく、自分もこうした機を見て動いて結果を出せる人間になりたいものだと心の底から思っています。
因みに自分が千代田区のふるさと納税担当者であったなら、「秋葉原(電気街含む)で11,000円お買い物できる券」を10,000円単位で返礼品に据えてみたいです。それなりに需要あると思いませんか?
2018/8/1追記
EXILE (エグザイル) の事務所がある東京都目黒区が、反撃を開始した模様。
目黒区、ふるさと納税返礼品にEXILEグッズ
2018/7/18付日本経済新聞 朝刊
東京都目黒区は2018年度から、ふるさと納税の返礼品に人気グループ「EXILE」の関連グッズを追加する。都内他区と同様、ふるさと納税による税収減が響いている。若者に人気の商品を入れることで、目黒区向けのふるさと納税に関心を持ってもらう狙いだ。
出典 : 日本経済新聞
URL : https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33079280X10C18A7L83000/
エグザイルグッズは地場産品であるという理屈を振りかざして、返礼品にエグザイルグッズを据えるようです。これでどれだけ税収が回復するのか、東京23区や都下の他自治体がこれに追随する動きを見せるのか、目が離せません。
ジャニーズ事務所がある自治体が同じことを始めたらどうなるでしょう。是非やってみて欲しいものですが。
おわりに
こうして総務省が高額で地場産品と関係のない返礼品への取り締まり意欲を見せてきたことで、近い内にふるさと納税でお得に食料品や家電製品をもらえなくなってしまうかもしれません。
今年のふるさと納税は早め早めの行動が吉となりそうです。そろそろ今年の年収も概算が見えたと思いますし、家族構成や各種控除の概算から、おおむねいくらまでなら寄付が出来るかもわかってくるはずです。
最後まで読んで下さってありがとうございました。