Pontaポイントの説明書2018年版～何故JALマイルに交換できてANAマイルはダメなの？答えは株にあった！～

今回は共通ポイント「Pontaポイント」について、なぜJALマイルに交換できるのにANAマイルはダメなのか、なぜローソンでのお買物では貯まるのにファミマやセブンイレブンのお買物では貯まらないのか、といった素朴な疑問について解説します。

あわせて、元々のPontaポイントの成り立ちや、利用するとPontaポイントが貯まるクレジットカードの背景についても解説したいと思います。

• Pontaポイントの運営企業・Pontaポイント陣営の概要
• 共通ポイントとの相互交換による顧客の囲い込み体制
• Pontaポイントと相互交換できる共通ポイント・マイル・クレジットカードポイント
• Pontaポイントが貯まるクレジットカード

本記事を読んでいただければ、上記のポイントについてよく分かります。また、共通ポイントを舞台とした顧客獲得戦争が予想を超えて激化していることも分かってくるはずです。

共通ポイント「Pontaポイント」とは何か

まず「共通ポイント」というキーワードについて簡単におさらいしておきます。既によくご存じの方は読み飛ばしていただいてもかまいません。

Pontaポイントの運営企業・Pontaポイント陣営の概要

Pontaポイントは、「株式会社ロイヤリティ マーケティング」によって運営される共通ポイントプログラムです。

「ロイヤリティ マーケティング」(以下LM社)の主要株主は以下の企業です。LM社は上場していないため証券取引所での株式売買は行われていません。以下の五社がほぼ全ての株式を保有しています。

• 三菱商事
• ローソン (三菱商事が筆頭株主)
• リクルートホールディングス
• 日本航空 (JAL)
• ゲオホールディングス

・・・Pontaポイントと相互交換できるポイントプログラムやマイレージプログラムを運営している企業がチラホラ見えますね。

もう半ば答えは見えてしまっていますが、Pontaポイントは実質的には三菱商事、リクルート、JAL、ゲオが出資している共通ポイントプログラムと言えます。

だからJALマイルに交換できるけどANAマイルには交換できないのです。JAL(日本航空)とANA(全日空)という二つの最大手航空会社による顧客獲得のための代理戦争をこうした共通ポイントプログラムを使って行っているようなものかも知れませんね。

各社とも顧客層の拡大や、LM社からの長期的な配当利益を目論んでいたりと様々な思惑のもとに出資しているはずです。

商社最大手の三菱商事としては、傘下のローソンの事業拡大による収益やLM社の配当などが目当てでしょうし、リクルートとしてはPonta Webと合体することで「じゃらん」や「ポンパレモール」などの自社サービスのさらなる拡大を目指していると思われます。

JALとしてはコンビニなどの日常的な利用で貯まるポイントをマイルへ交換してもらうことで、自社航空便や旅行サービスの利用拡大を求めてPontaポイントプログラムへ出資しているでしょう。

更にこれに加えて、Pontaポイントと相互交換可能なdポイントの存在や、PontaポイントやJALマイルへ交換可能な三菱UFJニコス系 (DC, NICOS, MUFG) クレジットカードポイントの存在などを考慮すると、航空系マイル・携帯電話キャリア・銀行を中心とした「JAL・NTTドコモ・MUFG/三菱UFJ・Pontaポイント同盟」という構図が浮かび上がってきます。

Pontaポイントを運営するLM社の主要株主である三菱商事と同じ三菱グループのクレジットカード会社である、三菱UFJニコスがここで登場します。三菱UFJニコスはJCBと共にJALの委託を受けてJALカードを発行するクレジットカード会社でもあるので、ここで登場するのは必然とも言えます。

また、これに対抗する形で、「ANA・KDDI・SMBC/三井住友・楽天ポイント同盟」も存在します。

こうした「航空系マイル・携帯電話キャリア・銀行系カード会社」の同盟から成り立つ共通ポイントが形成する「企業同盟」的な各勢力のつながりについても、後日記事にしてみたいと思います。

Pontaポイントの成り立ち・会員数

2010年3月1日に、LM社が中心となってPontaポイントを立ち上げました。

三菱商事が大株主であるローソンをはじめ、ゲオやシェル石油のポイントプログラム会員をPontaへ移行させることで開始早々に大量の会員を擁していました。

その後、2012年2月にj会員数が4,000万人を突破。2014年1月には6,000万人の会員を抱える一大共通ポイントサービスへと短期間で成長しています。本記事執筆時点の会員数は、8,866万人 (2018/10末現在) と、日本人の3人に2人はPonta会員であるというとんでもない規模に成長しています。

Pontaポイントの有効期限

• 最終ご利用日（最終のポイント加算日または、ポイント利用日）から1年間

Pontaポイントは有効期限が1年と短めに見えますが、「最終のポイント加算日または、ポイント利用日」から1年間有効です。つまりコンビニでお買い物をしたりポイント利用するだけで残りのPontaポイントの有効期限を一年延ばせます。

年に一度のお買物で一年延ばせるため、意識して使っていれば実質的には無期限有効と言っても差し支えはないでしょう。

Pontaポイントが貯まる・使えるお店やサービス

Pontaポイントの主な参加企業・サービスについて、ポイント還元率やポイント付与の時期、ポイント利用可否を簡単に表にまとめてみました。

各種サービスで貯めたPontaポイントは「Ponta Web」で自分のアカウントへ紐付けを行うことで集約可能です。貯めたポイントを一元化して無駄なく利用できます。

航空系マイレージプログラムとの提携先として、JALマイレージバンクとの相互交換を行っています。(Ponta 2P → JAL1マイル、JAL1マイル → Ponta 0.5～1P)

これらの店舗やサービス利用時にPontaカードを提示してポイントが貯まる以外に、 JMBローソンPontaカード やシェル-Pontaクレジットカードの利用でもポイントが貯まります。

また、 リクルートカード (還元率1.2%) の利用で貯まるリクルートポイントをリアルタイムにPontaポイントに移行可能です。

JALマイルを貯めるためのPontaポイント

Pontaポイントは2ポイント → JAL 1マイルのレートで、2ポイント単位でJALマイルへ交換可能です。そして年に一度の加算・減算でポイントの寿命が一年延びます。

そのため、マイル還元率にこだわりがあまりない・ゆっくりマイルを貯めたい、と言った場合、実はPontaポイントや前述の リクルートカード (還元率1.2%) でポイントを貯めてそれをJALマイルに交換する、といった戦略もアリだと思います。

実質無期限で、限りなく年会費を安くJALマイルを貯める方法として有効です。

また、不定期ですがPontaポイント → JALマイルへの交換時に「マイル20%増量ボーナス」イベントが開催されることがあります。例えば通常時はPonta1,000ポイント → 500マイルの交換ですが、このイベント中に交換すると600マイルになります。

大量のPontaポイントをJALマイルに交換する際には非常においしいイベントなので見逃さないようにしましょう。

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おわりに

今回は共通ポイント、「Pontaポイント」についての成り立ちや運営企業の主要株主から見る、Pontaポイントと航空系企業や携帯電話キャリア、クレジットカード会社などの関係性についてのお話でした。

あわせて、PontaポイントでゆっくりJALマイルを貯める方法や、JALマイルへの交換時のお得な情報についてもお送りしました。

今回も最後まで読んで下さってありがとうございました。