今回は各種クレジットカードの入会審査に通過するとされている条件のまとめと、審査通過率を上げるためにできることについてまとめます。
当たり前ですがクレジットカードは審査にそのクレジットカード会社独自の基準による入会審査に通過して初めて発行されるものです。しかしながらクレジットカード会社ははっきりとした審査基準を公開もしていなければ、審査に落ちた場合の理由についても「総合的な判断により発行見送り」といった非常に曖昧な言い方でお茶を濁すのみで、どうすれば審査に通りやすくなるのか (また、落ちやすくなるのか) といった情報はなかなか世に知られないままというのが実情です。
本記事ではいったん、本サイトにて発信してきた情報や公開されている情報をベースに、主要なクレジットカードの審査に通過するための条件についてまとめて発信します。その際にどのカードなら比較的審査に通過しやすいか、ということや、どのカードの審査が厳しいのかといった情報もまとめていきます。
主要クレジットカードの入会審査条件まとめ
ざっくりと主要なクレジットカードの入会審査条件を表にまとめてみました。表に記載された各種条件の根拠については詳細を後述します。クレジットカード会社各社で異なる審査基準を持っているものの、審査のベースラインとなる二つの条件は殆ど同じです。結局はこの二つなのです。
- 年収
- 信用 (クレヒス)
主要な年会費無料クレジットカードの入会審査通過に必要な年収
カード名 | 年会費(税別) | 審査通過に必要と 考えられる年収 | 申込資格 |
---|---|---|---|
楽天カード | 永年無料 | ~200万円 | 18歳以上(除高校生) |
ビックカメラSuicaカード | 実質無料 | ~200万円 | 18歳以上(除高校生) |
リクルートカード | 永年無料 | ~200万円 | 18歳以上(除高校生) |
VIASOカード | 永年無料 | ~200万円 | 18歳以上 電話連絡可能 (未成年者は親権者同意必要) |
三井住友VISAカード | 永年無料 | ~200万円 | 18歳~25歳(高校生以外) |
三井住友VISAデビュープラス | 初年度無料 以降1,250円 (条件付無料) | ~200万円 | 18歳以上(高校生以外) |
JCB CARD W/W plus L | 永年無料 | ~200万円 | 18歳~39歳 (自身か配偶者に定収入あり) 18歳以上の学生 |
JCB一般カード | 初年度無料 以降1,250円 (条件付無料) | ~200万円 | 18歳以上(除高校生) |
入会申込み資格が高校生を除く18歳以上かつ年会費無料 (実質無料カードも含む)の審査に通過するために必要な年収は200万円未満と言われています。こうしたクレジットカードの入会申込者には学生やフリーターが多く、これらの方々の年収は200万円未満であることが多いです。参考として、19歳以下の就労者の平均年収は男性157万円・女性104万円です。(※.1)
このデータからも200万円未満というのは妥当なラインであると思われます。実際には100万円未満の年収でも通過する事例が多くあります。高校生以外の学生の方でも(未成年の場合は親権者の同意があれば)十分に審査に通過可能であると言えるでしょう。
年収から見た支払い能力を考慮して、年会費無料クレジットカードはショッピング枠が10万円~30万円で発行されることも多く、利用実績によって限度額が上昇しても最大で80万円~100万円であることが多いです。
※.1 上記の19歳以下の就労者の年収統計データは「年収ラボ」の平成26年12月31日現在の「年齢別 サラリーマンの平均年収」から引用させていただいております。
引用元 : 年収ラボ
URL : https://nensyu-labo.com/heikin_nenrei.htm
主要な年会費有料クレジットカードの入会審査通過に必要な年収
一般的には年収300万円が壁になる
カード名 | 年会費(税別) | 審査通過に必要と 考えられる年収 | 申込資格 |
---|---|---|---|
三井住友VISAプライムゴールドカード | 初年度無料 以降5,000円 | 300万円~ (?) | 満20歳~29歳 安定継続収入あり |
アメリカン・エキスプレス®・カード | 12,000円 | 300万円~ | 20歳以上、定職あり |
MUFGカード ゴールド | 初年度無料 翌年以降1,905円 | 100~200万円 | 18歳以上 自身か配偶者に定収入あり (学生除く) |
楽天ゴールドカード | 2,000円 | 100~200万円 | 20歳以上、定職あり |
楽天プレミアムカード | 10,000円 | 300万円~ | 20歳以上、定職あり |
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | 20,000円 | 400万円~ | 20歳以上 安定収入あり (学生除く) |
三井住友VISAゴールドカード | 10,000円 | 400万円~ (?) | 満30歳以上 安定収入あり (学生除く) |
三井住友VISA プラチナカード | 50,000円 | 500万円~ | 満30歳以上 安定収入あり (学生除く) |
JCBゴールドカード | 初年度無料 翌年以降10,000円 | 300万円~ (?) | 20歳以上 安定継続収入あり (学生除く) |
JCBプラチナカード | 25,000円 | 400万円~ (?) | 25歳以上 安定継続収入あり (学生除く) |
格安ゴールドカードがこの常識を壊しつつあるようですが・・・。それでも「300万円の壁」が出現し、20代の方の前に立ちはだかります。
入会資格として「20歳以上かつ安定継続収入あり」という条件が付いているクレジットカードの入会審査通過に必要な年収は300万円~500万円になります。そもそも20歳以上という条件が付いている時点で、安定収入のある社会人を対象としたクレジットカードであるということは想像に難くありませんね。
転職サイトDODAのデータによると、20代の平均年収は以下のとおりです。
- 20歳 全体277万円 男性308万円 女性248万円
- 24歳 全体320万円 男性333万円 女性304万円
- 29歳 全体402万円 男性425万円 女性359万円
このデータから見ても、年収300万円をひとつのラインとするのは妥当な考え方であるのが分かります。社会人になり割と早い段階で到達可能な年収ラインでもあり、多くのクレジットカードがこの年収300万円を入会審査の足切り水準にしていると思われます。
上記の20代年収データは転職情報サイト DODAから引用させていただいております。
引用元 : DODA 平均年収ランキング2017(年齢別の平均年収)
URL : https://doda.jp/guide/heikin/age/
格安ゴールドカードの審査通過に必要な年収
これについては最近登場した例外といって良いかと思います。例えば、 MUFGカード ゴールド は入会条件が18歳以上になってはいるものの、保護者や配偶者の年収でも与信を行うことを可能としています。年収300万円未満の若年者が増加し、通常の審査基準で通せなくなってきたために100万円~200万円台の方を引き込むための低年会費のゴールドカードという位置付けと見て良いでしょう。会員本人の年収で審査を行う場合、100万円~200万円ぐらいが求められるラインになるでしょう。同様に、 楽天ゴールドカード は明確に、「20歳以上かつ定職あり(=安定収入あり)」と謳ってはいるものの、年収100万円~200万円台の方の審査通過事例がかなり多く存在します。
これらの事例からも格安ゴールドカードの審査通過に求められる年収は100万円~200万円程度とみて良いでしょう。
また、年会費無料カードではありますが、 リクルートカード などの様に30歳以上の社会人の利用も想定して他のクレジットカードと共通枠ながら最大500万円程度の与信を行うクレジットカードも存在します。
ゴールドカード・プラチナカードの審査通過に必要な年収
こちらが本来の20代以上の社会人を想定した年収要件が審査に絡んでくるクレジットカードです。20代でも入会可能なゴールドカードは年収300万円~、30代の場合は500万円というのが通例です。
昨今は年会費20,000円クラスの廉価なプラチナカード (過去のゴールドカードと同格と思われる) が登場してきており、こうしたクレジットカードは年齢要件もなく、年収要件も400万円~500万円程度とかつてのプラチナカードと比較すると一回り要件が緩くなっているのが特徴です。
クレジットカードの審査に通りやすくするためにやるべき3つのこと
審査に通過するためには年収とクレヒスの積み上げこそ最も効果のあるものですが、長い時間がかかります。ここではすぐに出来る、クレジットカード審査に通りやすくするためにやっておくことを3点挙げておきます。
① キャッシング枠を多くしない。
2010年の法改正で年収の3分の1を超えるキャッシング枠が付与不可能になったことに加え、50万円以上のキャッシング枠を付けると貸金法の審査も入るため審査が長引き、場合によっては否決される可能性が上がります。かと言って海外旅行や緊急用に最低限のキャッシング枠がないと不安なのも事実としてあるでしょう。
キャッシング枠は0 ~ 10万円に抑えておくことをおススメします。
② 申込み書は正しい内容で記入する。紙の申込み書は丁寧な字で書く。
当たり前ですが申込書に誤記があると後で面倒なことになり、最悪の場合、クレジットカード強制解約になる可能性もあります。必ず正しい内容であることを確認してから申込みボタンをポチりましょう。紙の申込み書を手書きする場合、オペレータが誤入力しないように丁寧で読みやすい字を書くことを心がけましょう。
③ 年収は1の位を四捨五入する
本当は一万円単位で年収を申告するべきものですが、1の位の四捨五入程度であれば全く問題なしとされることが多いようです。流石に年収151万円の人が「自分は年収200万円です」というのはダメですが、235万円を240万円とする程度であれば特に問題なく処理されます。
それでもクレジットカード審査に落ちる理由
① 年収が足らない
これは諦めるしかありません。自分の年収を上げて再渡来するしかありません。ただしそのようなカードに申し込まなくても持てるクレジットカードは世の中に多数あります。
② そのカード会社とのクレヒスが足らない
プラチナカードなどではこうした要件が求められる場合があります。下位カードから信用を積み重ねましょう。
③ 直近6か月以上にクレジットカードを申し込み過ぎている (多重申込み)
素直に半年待ちましょう。
④ 信用情報がブラックになっている
携帯電話端末の割賦支払の遅延や踏み倒しでもブラックになります。審査に連続して落ちておかしいと思ったらまずは信用情報を開示しましょう。
おわりに
今回は、クレジットカード審査関連情報のまとめとして、主要なクレジットカード審査で求められる年収、審査に通るためのコツ、それでも審査に落ちる理由、についてのお話でした。