ついに野田総務相も本腰を入れて潰しにかかってきた、返礼率30%を超えるふるさと納税返礼品。これにはただ返礼率が高いだけでなく、そもそも地場産品ではない家電製品や商品券・旅行券もどうやら含まれる模様です。
ふるさと納税で何をもらおうか悩んでいる間に、「いいかも」と思っていたものが全てつぶされてしまい涙目になっている方も少なくないかも知れません。当方は先日意を決して「近畿日本ツーリスト旅行券」の一点買いで攻めてみました。
今回は締め切り間際と言っても過言ではない、ふるさと納税駆け込み需要に対応可能な、幅広い用途に使える商品券や旅行券を扱っている自治体の紹介をしたいと思います。
2018年9月24日現在の、ふるさと納税で商品券・旅行券がもらえる自治体まとめ
茨城県境町
高額返礼・・・もとい、ふるさと納税の雄、茨城県境町。こちらはHISギフトカード、ツーリスト旅行券を取り扱っています。9月末で掲載終了です。
返礼率50%!
さすがは総務省から槍玉に挙げられた「ブラックリスト」入りの自治体だけあって非常に魅力的な返礼品を掲載してくれています。しかし残念なことに、今回は総務省の圧力により、HISギフトカードと近畿日本ツーリスト旅行券の掲載を9月末で取り下げるとのこと。
総務省、ついに「ふるさと納税」やりすぎ自治体を公表。事実上のブラックリスト = 高返礼率の優良自治体リスト。
このほど総務省より、「ふるさと納税に関わる現況調査結果」なるレポートが公表されました。このレポートは10ページ程度の分量 ...
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ふるさと納税の寄付先に迷っている方はとりあえずここに寄付してしまっても良いでしょう。これら旅行券の返礼率は50%と非常に高く非常にお得です。
例えば10万円寄付した場合、50,000円分のHIS旅行券または近畿日本ツーリスト旅行券がもらえます。そして自己負担金の2,000円を差し引いた98,000円が所得税と翌年の住民税から控除されます。そして、ふるさと納税サイト「ふるなび」を経由してふるさと納税を行えば、寄付金額の1%相当のAmazonギフト券がもらえます。ただしクレジットカード決済限定なのでAmazonギフト券が欲しい方はクレジットカードで寄付金を支払いましょう。50,000円分の旅行券の金銭的な価値を考慮すれば実質45,000円以上のプラスになると考えて間違いないでしょう。
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大阪府熊取町
返礼率50%!
こちら、大阪府熊取町も近畿日本ツーリスト旅行券を扱っています。やはり返礼率として50%、20,000円単位で寄付できるので端数になった損しない範囲の寄付金額を始末するのに便利です。
9月末までといった期間限定の記載はありませんが、急遽掲載取りやめになったりする可能性は十分にあるので、やはり早め早めの寄付が良さそうです。
佐賀県吉野ケ里町
佐賀県吉野ケ里町からは日本旅行ギフトカードが登場。今年12月以降の発送になるので気長に待てる方向けです。こちらも返礼率が50%と総務省から睨まれそうな返礼品です。やはり換金性・換金率も高いため、いつなくなるか分かりませんね。
少額からの寄付に対応してくれるので端数の処理に便利です。
佐賀県は「みやき町」をはじめとして攻めてる自治体が多いので、ふるさと納税においては非常に存在感の大きな県ですね。今後もずっと頑張ってトップランナーでいてほしいものです。
岐阜県池田町
岐阜県池田町からも日本旅行ギフトカードが返礼品として送られます。やはり12月以降の発送になるため待てる方向け。こちらも20,000円からの寄付に対応しています。
和歌山県高野町
同様に和歌山県高野町も日本旅行ギフトカード。上の二つと同じく返礼率50%です。20,000円からの寄付に対応しています。
静岡県小山町
商品券として使えるアメックスギフト券登場!返礼率40%!
静岡県小山町からはアメリカン・エキスプレスのギフト券が返礼品として登場しています。こちらは返礼率40%と他と比較して低めではありますが、全国約180の取り扱い百貨店でお買物の際の支払いに使えます。換金の手間を考えると利便性は高いと言えるでしょう。
そもそもなぜ駆け込み需要が生まれたのか?
2018年9月11日、総務省が明確に「返礼品を規制する」意思を示しました。これと合わせて返礼率30%を超える返礼品を提示している約250の自治体をリストにして発表しています。
また、2017年4月の総務省からの要請 (※.1) に従わない自治体をふるさと納税の対象から外すことも検討すると明言しています。
また、こうした自治体に寄付した人の税控除を遡って見直す(控除をなかったことにして再徴収する)可能性もあるのではないか、とすら言われ始めています。
メモ
※.1 … 返礼率は3割以内とすること。商品券・旅行券・感謝券といった換金性の高い金券類を返礼品としないこと。家電や電化製品、家具・アクセサリー・時計など装飾品や資産価値の発生しうるものを返礼品としないこと、等。
こうした背景から駆け込み需要が生まれています。そしてこれまでブイブイ言わせてきた受け入れ寄付金額上位の地方自治体はこぞって上記の換金性の高い部類の返礼品を取り下げたり、取り下げの意向を見せてきているというわけです。
例えば、寄付金受け入れ最上位クラスであった「佐賀県みやき町」は早々に換金性の高い返礼品を中心に大幅にラインナップが劣化してしまいました。
総務省発表の問題点
まず「個人の税控除を遡及して見直す」可能性がある点ですが、法の不遡及という原則に明確に反します。東京国際軍事裁判などでこれが問題になり大きな議論を呼んだりもしたのですが、野田総務相はこの原則を知らないんでしょうか。政治家どころか高等教育を受けた人間としての見識を疑うレベルです。後付けのルールをそれ以前の事案にまで適用可能になるなら大陸の一党独裁国家みたいになってしまうので、流石に「遡及して控除された税金を再徴収する」という馬鹿なマネはしないと思いますが。
今回の発表自体、税金流出額上位の東京23区などの猛烈な抗議を受けての事と思われます。制度の在り方云々出なく政治的な理由が大きい気がします。東京23区在住の一個人としては複雑な思いでこれを見ています。
ふるさと納税で税金が地方に流出しても、全額が地方の産業育成や人材育成に使われるわけでないのは明白です。寄付金の利用目的の発表すら義務化されていません。自立する意思のないニートにお金を渡し続ける余裕など最早誰にもありません。その観点からはふるさと納税自体制度を取りやめてしまう方が世のためだ、と言えるでしょう。
一方で、「黙ってても客が来る」「お上が何とかしてくれる」と思っている団体・企業は必ず内部から腐敗して潰れる、という私の個人的な持論から、ふるさと納税は競争しなくても交付金をもらって生きていけた地方公務員に競争をさせる良いチャンスであるとも考えています。
例えばNECがここ20年で没落した主たる原因として、「ウチは黙っててもお客が来るから」というお役所のごとき驕慢・怠惰、「上が何とかしてくれるだろ」という他力本願性、前例主義による自浄作用・自己変革の欠如、上層部が系責任を取らない無責任さ、これらにあったのは明らかです。
制度を見直すのであれば、大都市含めた競争の導入、寄付金の用途限定、寄付金利用に対する厳格な監査などを是非盛り込んでいただきたいものです。それでこそ本来のふるさと納税の意義を取り戻せるんじゃないでしょうか。
おわりに
今回は、2018年9月末時点での、ふるさと納税で高返礼率な旅行券・商品券などを取り扱う自治体の紹介や、今回の駆け込み需要の背景についてのお話でした。
最後まで読み進めて下さってありがとうございました。